日盲社協通信 平成28年(2016年)11月号(通巻73号)

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日盲社協通信 平成28年(2016年)11月号(通巻73号)
編集人:福山博   発行人:高橋秀治
発行所:社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)
National Council of the Agencies of the Welfare for the Blind (NCAWB)
http://www.ncawb.org/

*各みだしの前の行に「++」の記号がありますので、検索機能などでみだしを探す時にご活用ください。

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もくじ
譲り合いか傲慢か 理事長 髙橋秀治
点字離れに立ち向かう ―― 手で見る学習絵本『テルミ』が200号に ――
 常務理事・事務局長 髙橋秀夫
「元気創出!どこでもトーク」に参加して 常務理事 舛尾政美
ホームからの転落事故に思う 常務理事 長岡雄一
(特集)第64回全国盲人福祉施設大会
(誌上慶祝会)
井上誠一前館長に春の叙勲 一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会
 常務理事・事務局長 橋本博
聖明福祉協会・盲大学生奨学金事業が社会貢献者表彰を受賞
田中環会長の叙勲を祝して 兵庫県視覚障害者福祉協会 常務理事・事務局長三村行重
中村雅彦先生の叙勲を祝す 日本盲人福祉委員会 災害担当 加藤俊和
鳥居賞に指田忠司氏、点毎文化賞に木塚泰弘氏
第9回太陽福祉文化賞
熊本大地震義援金活動報告
平成28年度点字指導員講習会報告 点字指導員研修委員会 委員長 大澤剛
第7回情報機器等の支援者講習会報告 情報機器等研修委員会 委員長 山田智直
「杉光園」の新園長としての抱負 杉光園 園長 髙橋喜美代
<新会員施設紹介> 岩手県視覚障害者福祉協会 岩手マッサージセンター
<新会員施設紹介> 株式会社システムイオ
光岡法之先生の死を悼む 日本盲人職能開発センター 施設長 杉江勝憲
日盲社協事務局だより
編集後記

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譲り合いか傲慢か
理事長 髙橋秀治(たかはし・ひではる)
 近頃の忙しい人は、一人で2件も3件も仕事を重ねて行う。それをこともなげにスイスイとこなすのだから恐れ入る。
 私は、一つひとつの対応がスローなので、かなり時間を使うが、まあ、ぎりぎりのところで間に合わせることが多く、その意味ではのんびりタイプであろう。
 組織にはそれぞれ部署があり、相互の連絡と呼吸が合わないと大変なことになる。そのため役員間の連絡、組織を支える参加者との重要なパイプ役として、どんな小さな組織にも事務局がある。
 ところが、事務局といっても人それぞれやり方が違う。会計処理、記録の残し方、文書の整理、人との連絡などでセンスが異なる。そこで「あなたのやり方はおかしい、そんなやり方では人の迷惑になる」と、自分のやり方も結構人に迷惑を掛けているのにそれは棚にあげて注文を付けると、事態は険悪になる。
それが極まると上司に、「こんな人とは一緒に仕事はやれない。辞めさせてほしい」と言いにくるので、厄介である。
 欠点の多い人間が集まれば、いつもにこにこばかりしていられないが、頭にきて怒り狂うのも困りものだ。
 ではどうすればよいのか。秘策はないけれど、お互いに欠点の多い人間であることを再認識して、少しずつでも許し合う思いが広がれば、解決への兆しは見えてくる。しかし、一度ついた火は、そう簡単に消えはしない。耐えられなくなれば、転職するのも一つの方法だろう。
 また、二人の対立がどうしても収まらなければ、そしてそれが業務に影響が出てくるのなら、両者とも退職してもらうしかあるまい。鍵はどこまで相手を許せるか、という心の深さにあるということだろう。
 私たちの周りにはさまざまな経験を持つ人がたくさんいる。その経験が人の性格を作るという場合もあるはずだ。だから一概に決めてかかることは問題である。
 しかし、厄介なのは自分の力を信ずる余り、他人の欠点を取りあげて聞こえよがしに周りの人に大きな声で「あんた間違っている」と指摘する人だ。そういう人を時折見かけるが、言われた人は、それが事実であっても、大声で言われたことの恥ずかしさを忘れることはできないだろう。
 一部の人は、自分が言ったことを聞いた相手がどんな気持ちになるかということを深く考えないで、ただ「してやったり」とほくそ笑む。このような無神経な人間はいただけない。人の痛みに心を配れないからである。
 組織運営はたしかに難しい。何があっても協力しあい、助け合うことが第一であるからである。
 日盲社協はどうかって? 大丈夫でしょう、ゆったり流れているから。

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点字離れに立ち向かう―― 手で見る学習絵本『テルミ』が200号に ――
常務理事・事務局長 髙橋秀夫(たかはし・ひでお)
視覚障害児の低学年向け学習絵本『テルミ』を日本児童教育振興財団が、昭和58(1983)年9月に創刊してから、この4月で200号を迎えた。
 それまでの視覚障害幼児対象の絵本は、昭和50(1975)年から「布の絵本」やその後「さわる絵本」等が誕生し、母親と子供の共有できる世界づくりや情緒育成にと製作グループが心血を注いできた。
昭和55(1980)年になると松本油脂製薬株式会社(現・松本興産株式会社)とミノルタカメラ株式会社(現・コニカミノルタ株式会社)が立体コピーを開発し、触図の世界が一変した。翌々年には日本児童教育振興財団の理事長相賀氏が、発泡性インクを用いたシルクスクリーン製法で何か貢献できないかと思案の末、自らも編集に携わり『テルミ』の隔月刊行がスタートした。
 『テルミ』はシルクスクリーン印刷の手法に基づいて、点字パターンを発泡インクで隆起させるものだ。まずは点字用パターンを穿孔した台紙とスクリーンを感圧型接着剤で接着させる。そこに点字印刷用発泡インクで上質紙上に印刷。次に刷り上がりの上質紙を自然乾燥させ、最後にその紙を140℃に調整した加熱器に通すと発泡する。
 当初は発泡インクを使ったシルクスクリーン印刷では点字の断面が台形になるので、亜鉛版を使用するエンボス印刷(点字の断面がカマボコ型)と点字の形状が異なり違和感があると指摘された。しかし、号を重ねるごとに小さな指は台形の点字にも慣れて違和感もなくなり、小さな読者から「テルミのなかで、ドラえもんがすきです」との声が編集部にも届くようになった。
 この『テルミ』は、漢字かな交じりの墨字と発泡した点字が対応しているため、親と子、弱視児と全盲児が共有する世界を楽しむにはもってこいの学習絵本だ。
 「雨、雪、波、換気扇の音」などのイメージを絵で表現する斬新な企画や「迷路」、「料理」、「学校紹介」などは子供たちに大人気の記事だった。
 モニターの先生方からは、「単なる知識提供だけでなく、盲児や弱視児の心の中で興味・関心を拡大し、膨らませていける配慮が必要」、「蟻の巣、素晴らしいと思う。盲児にとって地中の様子、地中の生物のあり方などの認識をいかに育てるかということは大きな問題で意味がある」など、子供の立場に立ったアドバイスがあった。
こうした支援があり、触覚パターンの認識から点字による言語変換のプロセスを学べる雑誌『テルミ』が200号となったのだ。
 初期に編集に関わった私は、200号を手にして思わず胸が熱くなった。
 隔月刊とは言え、遅滞なく廉価にて提供する日本児童教育振興財団と編集者の皆様に、ファンを代表してこのたびの200号ご発行をお祝い申し上げる。

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「元気創出!どこでもトーク」に参加して
常務理事 舛尾政美(ますお・まさみ)
 山口県「元気創出!どこでもトーク」が下関市貴船町(きぶねまち)の県総合庁舎会議室において10月6日15時半から約3時間にわたって行われた。
 「どこでもトーク」は村岡嗣政(つぐ・まさ)山口県知事の司会で開始され、農業、漁業、自治会、ライフセービングクラブ、観光協会、障害者福祉などの代表9名が参加して、それぞれの現状を紹介し課題を発表した。
 農業では、いちごや梨やぶどう、キウイなどが、猿や鹿、猪などにより深刻な被害を受けている現状が報告された。
 漁業では、韓国から関門海峡の響灘(ひびきなだ)に流れ着く大量のゴミ問題が報告された。
 自治会では、高齢者の介護問題と共に、「ワンワンパトロール隊」の活躍が大きな効果をあげていると報告された。これは地域防犯の腕章とユニフォームを着用して愛犬と散歩して、不審者や危険箇所を発見したら警察や自治会に連絡すると共に、児童・生徒の登下校を見守る活動である。
 観光では、平成12年に角島(つのしま)と豊北町(ほうほくちょう)の間に1,780mの角島大橋が竣工して観光客が大幅に増えた一方で、「島の中には人とゴミがあふれ、地元の人は悲鳴を上げている」という深刻な問題が発表された。
 ライフセービングクラブは200名余りの若者が組織に加わり、吉見(よしみ)や土井(どい)が浜(はま)の海水浴場で監視・救助活動、水辺の清掃などを進めているが、活動が夏の3か月程度に限られるので、組織の維持が非常に困難であると発表された。
 私は障害者福祉を代表して、盲人福祉協会が68年間にわたって視覚障害者の福祉増進を進めてきたことを紹介し、「今一番問題となっていることは、視覚障害者の急増である」と次のようなことを話した。
 行政は現在、視覚障害者は全国に約30万人いるとし、山口県に約5千人、下関市に約1千500人いると言っている。
 一方、日本眼科医会は、全国に約180万人の視覚障害者がおり、糖尿病などにより毎年(まいねん)10万人ずつ増えており、親や兄弟などが次第に年を重ねて、介護者がだんだん少なくなって、深刻な状況になっていると報告している。
 これに対して当協会では、まずグループホームやその付帯事業を合わせて定員25名を倍にするための準備を進めている。
 次に県内には歩行訓練士が盲人福祉協会に1名いるだけなので、これを何とか県内に3名確保したいと考え、県内の眼科医会の協力なども得ながら運動を進めており、近い将来、県内14カ所の特別支援学校に最低1名以上の歩行訓練士・生活訓練士を置く計画をたてている。
 このたびの「どこでもトーク」は、当協会を紹介し、問題点を発表して、知事をはじめ参加者に大きな驚きと感動を与えることができて、私たちにとっては大変有意義なイベントであった。(山口県盲人福祉協会理事長)

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ホームからの転落事故に思う
常務理事 長岡雄一(ながおか・ゆういち)
 8月15日。東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬のユーザーがホームから転落して亡くなる事故がありました。非常に痛ましい事故で、亡くなられた方の冥福を祈らずにはいられません。
 事故後、原因を巡っては多くの推測が乱れ飛んでいますが、特に視覚障害のリハビリテーションに携わってきた私達にとっては、原因を詳らかにすることは、今後二度とこうした事故を起こさないためにも、必要不可欠なことだと思います。その過程では、ただ単に推測するだけでなく、もう一度、視覚障害の特性に目を向けることを忘れてはなりません。
 ホームからの転落事故の多くが、場所を誤認したことによって起きていることは、成蹊大学の大倉先生の調査でも示されています。「誤認」。つまり、自らの正確な位置を把握していない、できない状態。じつはこれこそが、視覚障害の特性に他なりません。どんなに注意を払い、万全な備えをしても、起こり得ることです。
 ただ、同じこと(場所を誤認する)が、晴眼者に起きても、ホームから転落することは稀です。晴眼者は、迷っても安全な場所に自分がいることを確認しながら移動することができます。「危険」のサインは必要でしょうが、それ以前に、自分のいる場所が安全であることが分かっているのです。そこが視覚障害者の場合との大きな違いです。どこまでが安全で、どこからが危険なのか、ほとんどの場合、晴眼者には一目瞭然です。
 この「視覚」の特性を生かすことが難しい視覚障害の方には、「一目瞭然」という訳にはいかなくなります。「今、自分がここにいる」という事実しか信用できません。危険な場所を認知するには、危険な場所の間近、あるいはその場所に行かなければなりません。危険から離れる訳には行かないのです。ですから、発想を少し変えて、今いる場所が安全であるという何らかのサインがあってもいいのかとも思います。
また、どんなに安全なルートを設定しても、さまざまな目標を利用して移動を行っても、時として、人は間違うものです。そこを責めることはできません。となると、その間違いが起こっても、転落しない環境作りが必要になります。今回の件で言えば、ホームドアはまさしくそれに該当するものであることに、疑いはありません。
こうして原稿を書いてるさなか、大阪でまた転落事故があったことが報じられました。本当に痛ましいことです。すでに障害者差別解消法が施行されて数か月経ちましたが、視覚障害者の移動についての合理的配慮はどこまで進んでいるのか。考える以前に行動が必要なことに間違いはありません。(東京都視覚障害者生活支援センター所長)

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(特集)第64回全国盲人福祉施設大会
 日盲社協第64回全国盲人福祉施設大会が、日本失明者協会を主管施設として、6月23・24の両日、全国から関係者約200名を集めて、埼玉県熊谷市の「四季の湯温泉ホテルヘリテイジ」で開催された。
 初日の23日に開会式・オリエンテーションと研修会、それに各事業部会(5部会)、交流会を行い、翌24日には全体会(シンポジウム)、受賞ボランティア懇親会、式典・表彰を行った。
 初日の研修会は、日盲社協髙橋秀夫事務局長を司会進行に、厚生労働省障害福祉課照井直樹課長補佐による「『障害者総合支援法3年後見直し』について」をテーマにした講演を中心にしたものであった。
 平成25年4月に施行された障害者総合支援法はその附則で、施行後3年を目途として障害福祉サービスの在り方等について検討を加え、その結果に基づいて、所要の措置を講ずることとされている。これを受けて、社会保障審議会障害者部会で平成27年4月から計19回にわたり検討を行い、今後の取り組みについてまとめられた。
 そこで、医療との連携、緊急時対応等を行うために地域生活支援拠点の整備を推進する。通勤・通学に関する訓練を就労移行支援や障害児通所支援により実施・評価するとともに、入院中の外出に伴う移動支援について、障害福祉サービスが利用可能である旨を明確化する。障害者が介護保険サービスを利用する場合も、それまで支援してきた障害福祉サービス事業所が引き続き支援できるよう、その事業所が介護保険事業所になりやすくする等の見直しを実施するなど、障害福祉制度と介護保険制度との連携を推進するなどの見直し16項目についてが、その背景とともに解説された。
 二日目の全体会(シンポジウム)は、ホテル1Fのオーロラホールを会場に、日盲社協長岡雄一常務理事を司会進行に「部会長が語るこれからの施設」をテーマに5部会長をシンポジストにして行われた。
 日盲社協は視覚障害者関連施設の連合体だが、その施設の種類は多岐にわたる。たとえば50施設ほどの自立支援施設部会は盲人ホーム、就労関係、リハビリ、盲導犬訓練施設など極めて多彩である。
 このため日盲社協の加盟施設が抱える問題も多様で、日盲社協が組織としてどこまでそれらの問題点を認識・共有して、解決にむけて主体的に行動しているのか、あるいは行けるのか。
 また、日盲社協は法人本体で盲人ホーム杉光園と東京都視覚障害者生活支援センター、日盲社協レッツゴー事業所を運営している。とくに生活支援センターはこれまで東京都指定管理者制度導入施設であったため、財政的負担はまったくなかった。しかし、来年度からは完全民営化され、日盲社協が直接的な運営を行うので財政的に切実な問題と向き合うことになる。
 そこでこのシンポジウムでは
 ①施設の現状と課題、そして展望
 ②利用者の獲得に向けた方策
 ③日盲社協とのかかわりと、日盲社協が抱える課題をどう見るかを中心に議論が行われた。
 本シンポジウムと同時に別会場であるホテル内のレストラン「じゃぽにか」では、「受賞ボランティア懇親会」が開催された。視覚障害者生活情報センターぎふ棚橋公郎部長による司会進行で、理事長挨拶、受賞者自己紹介に続き懇談が行われた。
 式典では、例年どおり、ボランティアに対する感謝状贈呈、永年勤続職員に対する表彰状贈呈、援護功労者に対する感謝状贈呈が行われた。
 そして最後に次期第65回大会の主管施設を代表して視覚障害者生活情報センターぎふ山田智直館長から挨拶があった。

  アピール
 平成28年4月1日から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」、いわゆる「障害者差別解消法」が施行されました。私たちは、これまでも法律の有無に関わらず、障害を理由とした差別の解消に取り組んできましたが、経済的問題や専門性を持った人材の確保など、乗り越えなければならない障壁も存在しました。しかし、差別解消法の施行は私たちの事業遂行の追い風となると受け止め、行政をはじめ関係機関と連携して、あらゆる差別の解消に取り組まなければなりません。
日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)は1953(昭和28)年に結成され、60年を超える長きにわたって視覚障害者の福祉の増進に力を注いできました。こうした先人たちの熱い思いを継承するためには、ここで立ち止まることは許されません。日盲社協は、より一層の信頼と存在意義を得るためにも、視覚障害者に関わる様々な組織の集合体として、そして専門家集団としての力を結集することにより、目まぐるしく移り変わる時代の流れを正しく受け止め、視覚障害者のニーズに的確に対応していく必要があります。
このたびの熊本・大分の地震災害では、多くの視覚障害者の方も被災されています。本会においては、情報サービス部会が東日本大震災後に「視覚障害者のための防災対策マニュアル」の製作を行いました。地域に根ざした個々の福祉施設の役割と組織として社会から求められる役割も考えていかなければならないと認識を新たにし、これまでの経験をもとに本会においても関係機関とともに連携して被災者の支援にあたっています。
これまで日盲社協は様々な問題を抱え乗り越えてきました。現時点においても、指定管理から民間移譲による自立の道を歩むこととなった東京都視覚障害者生活支援センターの安定的運営と、同行援護事業の採算性の確保など新たな課題に加え、各部会独自の課題も多岐にわたっており、本大会の決議文にも連動しています。
日盲社協を組織する5部会が、視覚障害者を対象とした一つの組織としてより一層繋がりを深め、有機的に関わることにより、多くの困難を乗り越えることができると確信します。
今私たちは、あらためて日盲社協の存在意義を確認するとともに、為すべきことを考え、日盲社協の名の下、各事業部会が「視覚障害者福祉の向上」という共通の目標に向けて、持てる力を結集して取り組むことを偉大な先人である塙保己一ゆかりの地「埼玉」で誓います。
平成28年6月24日
第64回全国盲人福祉施設大会
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会

  大会決議
 1.選挙公報は、国民の基本的人権である参政権行使のための重要な情報源であり「公職選挙法」では国政等の選挙で発行が義務づけられています。視覚障害者等のために発行される点字版・音声版・拡大版の「選挙のお知らせ」も、選挙公報として発行が義務づけられることを強く要望します。
  また、「選挙のお知らせ」が有権者に届けられていなかったり、投票所においては、秘密保持の問題事例や盲ろう者等視聴覚障害者が適切な支援がないために選挙権が行使できなかったりしています。都道府県の選挙管理委員会に対し、こうした事例が改善されるよう指導強化を切に要望します。
 1.点字出版所は視覚障害関係事業の中で最も古い歴史があり、視覚障害者の社会進出と社会参加を支えて来ました。主な事業である点字教科書・点字図書・点字版選挙公報・各種広報誌の安定供給には、点字製版機や印刷機を常に万全の状態に維持する必要があります。そのため、点字製版・印刷機の新規購入や保守管理等の費用について補助されることを強く要望します。
 1.「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)の施行に伴い、視覚障害者に係る合理的な配慮が更に求められるなか、重度からロービジョンに至るすべての情報保障をより一層推進する必要があります。
情報格差の解消と的確なサービスを展開するために、障害の特性に応じた情報提供に必要不可欠な機器およびソフトウェア購入費等の補助を要望します。
 1.視覚障害者の情報通信技術の利用・活用の機会の拡大を図り、障害者の情報アクセシビリティを一層促進するために、視覚障害者情報提供施設に「情報化対応支援員」を新たに位置付け、1名増員を要望します。
 1.機能訓練や中途失明者緊急生活訓練事業等のサービスについて、視覚障害者の多様なニーズや支援の専門性の観点から短期、長期の利用が可能となる柔軟な制度の運用、福祉資源の乏しい地域の解消のための制度の見直し並びに専門職の養成の充実を要望します。
 1.盲導犬(補助犬)育成については、都道府県地域生活支援事業の任意事業に位置づけられており、公的支援は2013年度138頭中77頭、2014年度141頭中75頭、2015年度140頭中74頭と3年間の平均は育成された盲導犬419頭中226頭と公的支援は54%です。これを100%受けられるよう制度の見直しを要望します。
 1.同行援護サービスについて、通所・通勤・通学目的の利用においても適正なアセスメントとサービス利用計画の下、制度利用ができるよう要件の見直しを要望します。
 1.就労系事業の要件緩和並びに平成30年度の就労定着支援の実施に伴い、視覚障害在職者の利用しやすい制度を要望します。
 1.視覚障害者が就労できる場所は非常に少ないので、就労継続支援A型事業所、又はB型事業所においては、視覚障害者の場合は70歳までは就労できるように入所要件の改善を要望します。
 1.養護盲老人ホーム並びに盲人を入所対象とする救護施設等に交付される措置費は、消費税増税に伴う増額をされるよう要望します。
 1.養護盲老人ホームに入所する際の、入所希望者の経済要件を緩和されるよう要望します。
 1.65歳を過ぎてから失明した視覚障害者も、グループホームに入所できるよう入所要件の改善を要望します。
 1.日常生活用具に関する給付について、利用者のニーズを受け弾力的な運用をされることを要望します。
 1.各市区町村の福祉課窓口において、視覚障害者に対しては合理的配慮として、日常生活用具給付事業等の諸制度について説明することを要望します。
平成28年6月24日
第64回全国盲人福祉施設大会
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会

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誌上慶祝会
井上誠一(いのうえ・せいいち)前館長に春の叙勲
一般財団法人 大阪府視覚障害者福祉協会常務理事・事務局長橋本博(はしもと・ひろし)
 大阪府盲人福祉センター点字図書館前館長井上誠一氏は、本年春の叙勲で旭日双光章を受章された。
 井上前館長は、中学在学中に失明するも、幼少期から取り組んできたピアノの研鑽に努め、ピアノ教室を開業し自立され、現在に至るまで多くの生徒を育成されている。
 昭和48年から視覚障害者運動に参画され、昭和52年からは大阪府視覚障害者福祉協会理事、副会長等を経て、平成17年から平成27年まで5期10年にわたり会長を務めるなど、40年以上にわたり大阪府の視覚障害者運動を率いてこられた。
 この間、昨年まで大阪府盲人福祉センター点字図書館館長を務めるなど、視覚障害者福祉事業の充実に貢献された。さらに、平成24年から本年3月まで日本盲人会連合理事として、その後は相談役として日盲連運動にも寄与されている。
 同氏は、点字やパソコンを独学で習得されるなど、生来の努力家であり、その卓越したリーダーシップと福祉に対する高い識見により、会員はもとより、多くの福祉関係団体や自治体の審議会等での役職経験を通じて、大阪府や地元貝塚市の行政関係者の信頼も篤い。
 これらの功績により、この春、叙勲の栄に浴されましたが、今後とも後進の指導に活躍を期待されている。

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聖明福祉協会・盲大学生奨学金事業が
社会貢献者表彰を受賞
 社会貢献支援財団(東京都港区・安倍昭恵会長)による本年度第47回社会貢献者表彰の受賞者「社会貢献の功績」に聖明福祉協会・盲大学生奨学金事業が選ばれた。
 表彰式は11月28日に東京・帝国ホテル「孔雀の間」において瑤子女王殿下ご臨席の下で行われる。
 社会福祉法人聖明福祉協会の本間昭雄理事長は、代々水戸藩の藩医を務めた家系で、医師になるべく勉強中の20歳で医療事故に遭い失明。社会事業学校で学んだ後、昭和39年に盲老人ホームを開設した。
 そのかたわら視覚障害者が大学受験できるように門戸開放活動を行う日本盲人福祉研究会の活動に協力する中で、中村京太郎『点字毎日』初代編集長がその昔に「盲人秀才教育奨学金」開設の必要性を説いていることを知り深い感銘を受ける。
 そこで、昭和44年の聖明福祉協会創立15周年を記念して「盲大学生奨学金事業」を創設する。
 今年48年目を迎える本事業は、これまでに82大学、5大学院、10短期大学等にまたがる206名の視覚障害学生に奨学金を貸与してきた。
 そして多くの奨学生が卒業後、弁護士や大学教授、盲学校教師、国家公務員、地方公務員、音楽家、福祉施設職員、一般企業社員など、たくさんの職域に挑戦し、社会の第一線で活躍している。

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田中環(たなか・たまき)会長の叙勲を祝して
兵庫県視覚障害者福祉協会常務理事・事務局長三村行重(みむら・ゆきしげ)
 社会福祉法人兵庫県視覚障害者福祉協会の田中環会長が平成28年春の叙勲において、旭日単光章を受賞されました。会員と共に心からお祝い申し上げます。
 先天性視神経萎縮のため弱視状態で、中学校3年生の途中まで普通校に通学していたが、自己の将来を考え「あん摩マッサージ指圧師」の資格を取得するため兵庫県立盲学校へ転校し、免許を取得されました。
 「才能は有限、努力は無限」を座右の銘として何事にも真摯に取り組む人柄であり、視覚障害者の自立と社会参加はどうすればいいのか等、視覚障害者を中心に据えた観点から物事を考え行動してこられました。
 平成16年から理事、平成20年から副会長として会長を補佐し、幅広い人脈と弱者に対する崇高ないたわりの精神で協会の発展に寄与されました。姫路市視覚障害者福祉協会理事長や姫路市身体障害者福祉協会理事長も歴任されました。
 このたびの受賞に際し会長は、「これまでの役員や会員の皆様に支えられての受賞で、兵庫県視覚障害者福祉協会に与えられたものでうれしい限りです」と語られている。
点字離れが進む中、視覚障害者の大事な文化であり、繰り返し読めるので理解も深まる、として点字文化の浸透に尽力されてこられました。目は悪いが、人生を先取りしただけ、年を取ればだれでも目や体が悪くなると前向きに生きてこられました。
今年3月から県協会の新会長に就任され、義父の國夫氏(故人)も長年、会長を務め親子2代の会長職は協会でも初めてであります。「たくさんの人にお世話になった、自分ができることで少しでも返していきたい」と思われています。
また、「最近、白杖を持たないで外出する人が多くなっているので白杖の携行を強く訴えていきたい」と考えておられます。
今後とも、協会発展のため強いリーダーシップを発揮していただけると確信しております。

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中村雅彦(なかむら・まさひこ)先生の叙勲を祝す
―― 障害のある人へのあふれる情熱 ――
日本盲人福祉委員会災害担当加藤俊和(かとう・としかず)
 平成28年春の叙勲で、福島県点字図書館の中村雅彦館長が「瑞宝小綬章」の栄に浴された。
 中村先生は、いわき市の平養護学校長、福島県立盲学校長、福島県立養護教育センター長などを歴任され、特に福島県における特別支援教育で多大な功績を挙げてこられたことによるものである。
 先生のたゆまぬご努力によって築かれた実績は計り知れないほど大きい。
 さらに、私たちに大きな感銘を与えたのは、東日本大震災が起きたあと、中村先生が障害児(者)支援に直後から動かれた並外れた情熱であった。
 もちろんご自身が全力で注いでこられた特別支援教育での深い経験を踏まえられてのことではあるが、その教え子らにとどまらず、大きく福島県下の障害者全体の被災状況を把握し、支援するために全力を注がれていたのである。
 中村先生は、大震災直後から、さまざまな障害を持つ、被災し移動を繰り返さざるを得なかった方々、あるいは犠牲になられた方の親兄弟、被災した施設関係者などを可能な限り訪問して、支援し話を聞き、心のケアにも努められ、福島県沿岸部被災地の全市町をはじめ避難先を含む広い範囲を駆け回られた。その移動距離はなんと1万km以上にも及んだのであった。
 筆者は日本盲人福祉委員会(日盲委)で東日本大震災の視覚障害者支援を行ったが、福島県点字図書館を訪れるたびに、中村館長が業務のかたわら駆け回っておられる姿に大きな感銘を受けたものである。
 また、中村氏は、視覚障害者が放射線に大きい不安を感じていたことにも胸を痛められ、放射線量を音声で確認できる機器の開発にも取り組まれ、日盲委としても協力させていただき、福島県下のみならず全国でも利用された。
 大震災の取り組みについては、広範囲に支援してきたさまざまな障害者やご家族から聞き取ったことや、その後の状況、その実態と課題を浮き彫りにし、『あと少しの支援があれば』(ジアース教育新社刊)の単行本としてもまとめられた。
 このような献身的な活動を続けられてこられた中村雅彦氏の叙勲は誠に喜ばしいことであり、改めて敬意を表するとともに、心から祝福したい。

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鳥居賞に指田忠司氏
 日本盲人会連合第2代会長、日本盲人福祉委員会理事長、京都ライトハウス創設者、理事長を歴任し、京都市名誉市民でもあった鳥居篤治郎先生の遺徳を偲び、視覚障害者の福祉・教育・文化の向上に貢献した人をたたえる第34回鳥居賞に独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター特別研究員の指田忠司さん(63歳)が選ばれ、9月9日、京都市北区の京都ライトハウスで伝達式が行われ賞状と記念品・副賞が贈られた。
 長年にわたり障害者差別禁止法、各国の障害者雇用制度、視覚障害者の雇用問題に関する研究を続け、とくに視覚障害者の権利向上に寄与したことが高く評価された。
 指田さんは昭和28(1953)年埼玉県出身。生まれつき右目が見えず、左目も県立高校生の16歳のときに失明し、東京教育大学附属盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)に転校。
 早稲田大学法学部在学中に「視覚障害者の雇用問題」について関心を持って以来、現在まで国内外の障害者の働く現場について多くの研究成果をまとめ、とくに障害者雇用支援システムの研究に力を注ぎ、障害者の雇用機会拡大に貢献した。
 平成20年~平成23年はWBUAP(世界盲人連合アジア太平洋地域協議会)の会長を務めるなど、視覚障害者の国際協力の分野でも活躍。現在、日本盲人福祉委員会常務理事、日本盲人会連合国際委員会事務局長を兼任している。
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点毎文化賞に木塚泰弘氏
 視覚障害者の文化や教育、福祉の向上に貢献した個人・団体を表彰する「第53回点字毎日文化賞」の受賞者に、日本点字委員会会長の木塚泰弘氏(81歳、全盲)が選ばれた。表彰式は11月15日、毎日新聞東京本社で行われ、賞状並びに本賞の本人肖像盾、副賞の中村京太郎賞(置き時計)、日盲委奨励賞(30万円)が贈られた。
 木塚氏は結核性眼底出血により17歳で失明。2年間の自宅療養中に点字を習得した。その後東京教育大学附属盲学校(現・筑波大学附属視覚特別支援学校)で専攻科まで学んだ。一方、夜間に早稲田大学第二文学部史学科にも通った。大学を卒業した昭和37(1962)年、都立久我山盲学校(現・久我山青光学園)の英語科教員となり、点字や、白杖での単独歩行を生徒に指導。
 その実践から、自立に必要な力を身に着けさせる教育の重要性を提唱。昭和46年から盲学校などで制度化された特別な教育活動「養護・訓練」(現在の「自立活動」)につなげた。
 昭和47(1972)年に今の国立特別支援教育総合研究所(神奈川県横須賀市)に移り、乳幼児教育や点字の触読方法などを研究。平成11年に研究部長で退官後は、日本ライトハウス理事長、静岡文化芸術大学教授として、視覚障害者福祉の向上やユニバーサルデザインの普及にも尽力した。
 現在会長を務める日本点字委員会では、50年前に教育現場と点字出版や点字図書館との橋渡し役を担い発足に貢献。この間の表記法改訂にも中心的に関わっている。

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第9回太陽福祉文化賞
 選考委員会(寺尾徹委員長:全社協常務理事)は、4月22日に東京・グランドヒル市ヶ谷において開かれ、慎重に審査されました。
 太陽福祉文化賞は、特定非営利活動法人全国盲老人福祉施設連絡協議会(全盲老連・本間昭雄理事長)が、創立40周年を記念して、視覚・聴覚障害者の福祉向上のため尽力された個人や団体を顕彰するために太陽福祉グループの協力を得て創設したもので、今回で第9回目となります。
 贈呈式は6月8日、青森県弘前市のホテルナクアシティ弘前において開催された全盲老連の総会において行われ、全国の盲老人ホームから参加した施設長100名から大きな拍手が送られました。
 次に、表彰された方々の功績を感謝を込めて紹介いたします。

  1 実践功労賞 1名
 高橋昌巳(たかはし・まさみ) 氏
社会福祉法人桜雲会理事長(医学博士)
 聖マリアンナ医科大学助教授、筑波短期大学教授を歴任しながら、明治34(1901)年にさかのぼることができる法人を父親から引き継ぎ、理事長として点字出版所を再建した。その過程では東京・JR高田馬場駅近くの自宅を開放して、常勤・パートを合わせて14名の重度障害者を雇用し、按摩・鍼灸の専門性を高める医学書や専門誌の点字版と拡大文字版を発行してきた。

  2 実践貢献賞 1団体と1名
(1)函館きつつき点訳奉仕団
   代表松尾悦子(まつお・えつこ)氏
 48年の活動期間を通じて、662タイトル(2,440巻)の書籍を点訳すると共に、雑誌等で年間1,600ページを点訳し、函館視覚障害者図書館製作の点字出版物をほぼ全て製作。その他外出サポートや編み物教室、料理教室のレシピ点訳の支援活動、点訳ボランティア養成講座や小中高校生の体験講座、中途失明者のための点字練習用教材を作成し成果をあげている。

(2)桒山賀行(くわやま・がこう)氏 彫刻家
 彫刻が好きだが触れる彫刻展が無いと嘆いていた視覚障害者との出会いから平成4年より全ての彫刻が手で触れて鑑賞でき、視覚障害者、晴眼者共に楽しむことができる彫刻展「手で触れて見る彫刻展」を主催している。今年で25回を数える同展は、6日間の開催で1,300人を超える来場者を記録した。また、平成23年には全ての収蔵彫刻に手で触れることができる「清里の森彫刻ギャラリーGAKOU」を開館した。

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熊本大地震義援金活動報告
 日盲社協は平成28年4月19日付で加盟施設を対象に、募集期限を5月10日に設定して熊本大地震の義援金募金を開始。
 募集期間までに154万2464円が集まったので、5月23日の理事会・評議員会にて報告・協議して下記のように配分して送金した。
 ・熊本県点字図書館84万2464円
 ・熊本めぐみの園70万円
 締め切り後に振り込まれた15万1837円については、7月5日付で、日盲委災害支援プロジェクトへ送金した。
 後日、熊本県点字図書館篠原静雄館長他職員一同から、日盲社協宛てに5月27日付で、下記のような礼状が届いた。

  熊本県点字図書館からの礼状(1)
  理事長あて
 向暑の候、益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。平素より当館へのご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、今回平成28年熊本地震により、被災いたしました当館へ過分なる義援金を賜り御礼申し上げます。
 ここに、お礼状を送信致します。ありがとうございました。

  熊本県点字図書館からの礼状(2)
  加盟施設各位あて
 熊本県民に、未曾有の被害を与えたこのたびの「平成28年熊本地震」は、障害者本人家族、福祉関係団体にも甚大な被害を与え、未だにこれから先の見通しさえ立てられない状況が続いております。
 日盲委災害担当者加藤俊和様はじめ、各方面の日盲社協加盟施設からの善意なる、安否確認・支援物資の配送など多大な支援を頂きました。5月も中旬あたりから支援も、仮設住宅などにおける個別的応急対応や、復興住宅などにおける復興に向けた対応が継続して支援されています。
 4月22日から当図書館も福祉避難所となり、16名の方々を受け入れまして避難所生活の支援を行っておりました。5月末日には8名の方の支援がまだ続いております。
 発災からすでに1ヶ月を超えていますが、熊本市内においては、外形上は一部平常に戻ったような光景もあります。しかし、熊本市内近隣地区におきましても未だに3,000人くらいの避難者がおります。
 当図書館の被害は2箇所の移動書架の破損や軌道脱線、固定書架の損壊などがありましたが、日盲社協加盟施設さまから頂きました、義援金をもとに6月から再開されます広報類をはじめ、更なる情報提供に尽力いたす所存で有意義且有効に使わせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 最後になりますが、今年日盲社協施設大会に参加いたすことが出来ず残念ではございますが、この場を借りまして、大会のご盛会をお祈り申し上げます。

  埼玉大会にて義援金活動報告
 6月23日、第64回全国盲人福祉施設大会オリエンテーション終了後、髙橋秀治理事長が義援金総額とその配分、熊本県点字図書館からの礼状を報告。続いて、地震直後に現地入りして支援活動を行った堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターの原田敦史所長より現地での支援活動報告があり、最後に、大会に参加された熊本めぐみの園職員の村上澄夫・甲斐耕太郎両氏より施設の現状報告と日盲社協からの義援金に対するていねいな謝辞があった。

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平成28年度点字指導員講習会報告
点字指導員研修委員会委員長大澤剛(おおさわ・つよし)
 8月23日(火)から25日(木)まで、岐阜市のじゅうろくプラザを会場に、「平成28年度点字指導員講習会」を行った。今年は、点字指導員認定講習会だった。
 全国から120名余の申し込みがあったが、課題審査に合格した方、点字技能師有資格者あわせて110名に受講していただいた。
 研修内容は、次のようなものであった。
 初日の8月23日は、午後から「大規模災害と視覚障害者」、「点字概論」の二つの講義をおこなった。
 今年4月に熊本地方を襲った大地震を踏まえ、大規模災害時に視覚障害者が必要とする支援について学んだ。
 「点字概論」では、平成30(2018)年に予定される点字表記法改定について概要を聴くことができた。
 二日目の8月24日は、午前9時~午後5時までと長丁場だったが、午前中にはパソコン点訳について導入から指導のポイントを学び、また校正技術について、校正のよりよい方法や校正者の育成などについての講義があった。
 午後からは、点訳の基本テキストである『点訳のてびき』を使用した指導法を半日かけて学んだ。
 最終日の8月25日は、点訳ボランティアの養成、難読語の調査法に関する講義があった。
 また、午後は、点字指導員の認定試験をおこなった。受講生は熱心に校正・点訳課題に挑戦していた。
 今年は、天候にも恵まれ、充実した講習会となった。支えてくださったスタッフをはじめ、講習会に参加してくださった皆様に感謝申し上げたい。

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(埼玉生協助成事業)
第7回情報機器等の支援者講習会報告
情報機器等研修委員会委員長山田智直(やまだ・ともなお)
 日盲社協情報サービス部会は、8月3~5日の三日間、日本ライトハウス情報文化センターで、標記講習会を23団体26名の参加で次のように実施した(敬称略)。
  <第1日目>
 講義1「IT指導技法」視覚障害者生活情報センターぎふ 山田智直
 講義2「Windows10とPCトーカー」日本ライトハウス情報文化センター 松本一寛
  <第2日目>
 講義3「iOSの基本操作」日本ライトハウス情報文化センター 松本一寛
 講義4「サピエとiPad」視覚障害者総合支援センターちば 御園政光
 講義5「ロービジョンについて」日本ライトハウス情報文化センター 岡田弥
 講義6「視覚障害疑似体験」日本ライトハウス情報文化センター 岡田弥
  <第3日目>
 講義7「iOSアプリいろいろ」品川博之
 「情報交換会」
  まとめ
 今回の講習会では、講義全般において受講者からの質問もいくつかあったが、情報提供もあり、よい講義となった。とくに、最後の情報交換では、何人かの視覚障害受講者から貴重な情報提供、助言があり、充実したものとなった。また、今後の講習会を担う新たな講師が誕生しそうな機運が高まったのも本講習会の成果である。
 近年、ロービジョン対応の講義とiPhoneの講義を取り入れることによって、これらは情報提供施設にとって不可欠な支援に位置付けられてきたように思われる。
  今後の課題
 目新しい情報機器の出現もなく、毎回同じような講義内容と思われたのか、受講生の少ない講習会となった。次年度は、要項の段階で、ステップアップしている内容であること、また、講義名でその点を訴えられるようにしなければならないと感じた。
 その他、昨年に引き続きアイマスクを着けて視覚障害疑似体験の講義を実施したが、メールを書いて送信する、ネットで検索して調べるなどは、いずれもまだ課題が残るので、次年度も引き続き講義する必要があろう。
 最後に、毎回会場となる施設では講習会の準備をするのにかなりの負担を強いられる。そのための費用の確保、あるいは準備のための人材確保ができればかなり負担は軽減できるのだが…、喫緊の課題である。

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「杉光園(さんこうえん)」の新園長としての抱負
杉光園園長髙橋喜美代(たかはし・きみよ)
 平成28年4月より「杉光園」の園長に就任しました髙橋喜美代です。本年3月まで都立文京盲学校で臨床実習と進路指導を中心に勤務してまいりました。
 私自身は、開業経験もなく三療業界についても何も知らないまま「杉光園」の園長という大役を受けてしまいました。我ながら「世間知らずもここまで来れば・・・」と呆れる次第でございます。とは言いましても就任させていただきましたからには、利用者や視覚に障害がある三療師のために精一杯頑張りたいと存じます。
 本施設も平成4年頃には、三療の技術指導や相談助言に加え、資格試験不合格者に対する受験指導など、地域の視覚障害者に対する支援機関・授産施設のような役割を果たしていこうという壮大な計画が有ったようです。それから歳月を経た現在ですが、壮大な理想を達成できないまま有資格者の協働治療院のような状況になっております。さらに来院患者数も非常に少なく、施設運営上の課題と捉えております。
 利用者の一日も早い「自立」を達成するためには、一人でも多い患者施術経験が必要と考えます。そのための集客アピールも大切ですが、まずは利用者一人ひとりの施術技術の向上が不可欠と考えます。それに加え、接客・接遇力、コミュニケーション力の向上や、施術者としてのマナーや医学的基礎知識などを高めていかなければならず、やるべき事が山積しております。
 アクティブ・ラーニングが叫ばれる中、利用者の自主性を奮起するためにも、こうした内容をまとめたテキストが必要と考え、研修指導担当者と共に冊子作成を開始したところです。
 新たな渉外活動として、都内の盲学校・養成施設、ハローワーク等と連携して情報の交換や自立支援に向けた意見交換などを目的にした連絡会をスタートできるよう、現在、準備を進めているところです。
 また、すでに三療就業中であっても、施術技術面等で課題があり、就労の継続が危ぶまれる施術者に対する支援をはかるべく、雇用主の事業所とも研修に向けた連携をとっております。本来であれば、盲人ホームは就労支援のための施設であるため、就業中の方たちへの支援は認められておりませんが、今後も東京都との話し合いを進め、「企業対象研修(仮称)」が位置づけられるよう、努力していきたいと考えております。
 着任から7ヶ月の未熟者でございますが、今後ともご指導・ご支援頂けますようよろしくお願い申し上げます。

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<新会員施設紹介>
岩手県視覚障害者福祉協会
岩手マッサージセンター
  ◆施設のご案内◆
布団敷き:2
ベッド:6
マイクロ治療器
スポットビーム
高圧滅菌器
治療者用待合室

 岩手県視覚障害者福祉協会理事長及川清隆
 岩手マッサージセンター施設長佐々木翼
〒020-0015岩手県盛岡市本町通3-6-20
TEL:019-652-7787 FAX:019-652-7787
E-mail:moujin-morioka@polka.ocn.ne.jp
URL:http://www.iwate-sfk.com/mc.html

  ◆治療のご案内◆
受付:午前9時から午後6時まで
治療:午前9時30分から午後7時まで
指名予約、出張治療も致します。
休日:月曜日

 利用料金(センターでの治療)単位円
治療時間:30分、60分、90分、120分
マッサージ治療:1,500、2,800、4,200、5,600
鍼治療:2,000、3,200、4,800、6,400

 利用料金(出張治療)単位円
治療時間 60分 90分 120分 150分
マッサージ治療:3,600 5,400 7,200 9,000
鍼治療:4,000 6,000 8,000 10,000

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<新会員施設紹介>
株式会社システムイオ
  お財布型ポータブル紙幣識別機(Wallet)
◆紙幣を音声やビープ音、振動でお知らせします。
◆電子マネーの残高を音声で読上げます。
本体寸法:168.5mm(幅)×22mm(奥行)×82mm(高さ)、重さ:約175g
 代表取締役 池田大
 〒108-0073 東京都港区三田3-14-10三田三丁目MTビル9F
 TEL:03-6809-4803 FAX:03-6809-4805
 URL:http://www.systemio.co.jp
 平成25年に国立印刷局が「日本銀行券の券種の識別性を向上させる取組み」について発表し、視覚障害者の方々向けに「言う吉くん」の愛称でスマートフォン向けのアプリケーションの配信と携帯型音声式日本銀行券簡易券種識別支援装置の商品化が進められました。
 株式会社システムイオは、国立印刷局から技術情報の提供を受け、日本銀行券の券面を光学的に読み取り、音声案内やビープ音、振動で通知することによって、新札・流通紙幣を問わず識別を行う、「お財布型ポータブル紙幣識別機(Wallet)」を「言う吉くん」シリーズとして商品化しました。加えて、Suicaなどの交通系ICカードなどの残額も音声で通知する機能も有しているため、視覚障害者の方も簡単に残額を確認できるようになりました。
 ぜひとも、手にとって触って、使っていただきたく思いますので、全国の展示会など、お声がけ頂ければ幸いです。
 当社は、今後も福祉用具の実用化開発を推進し、高齢者や障害者の積極的な社会参加(ノーマライゼーション)を支援し、豊かさを実感できる社会の実現を目指します。
 ※「言う吉くん」は国立印刷局の商標です。

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光岡法之(みつおか・のりゆき)先生の死を悼む
日本盲人職能開発センター施設長杉江勝憲(すぎえ・かつのり)
 去る9月25日12時20分、光岡法之先生は永眠されました。享年86歳での帰らぬ人となられました。
 思えば、昭和26(1951)年に国立東京光明(こうめい)寮に入職し、視覚障害者の生活指導を中心に全国の国立更生援護施設(神戸、函館、別府、福岡、伊東、国リハ)で勤務なされ、昭和62(1987)年に国立函館視力障害センターの所長を最後に厚生労働省を退職されたのでした。その後、故松井新二郎先生のお誘いにより、昭和62年より日本盲人職能開発センターの事務局長、常務理事、相談役を歴任され、本年3月に同センターを退職されたのでした。
 また、日本盲人社会福祉施設協議会では、
平成5年から平成14年まで理事、平成15年から18年、平成22年から現在まで評議員を務められ、同協議会の発展のため、尽力されたのでした。
 光岡先生の一生は身体障害者、特に視覚障害者の方々の支援に携われてきたのであります。
 私事で恐縮ですが、国立更生援護施設時代より視覚障害者支援の先輩としてご指導を賜り、また、日本盲人職能開発センター施設長として迎え入れていただいたのであります。
 日本盲人職能開発センターの職員一同は光岡先生の指導を心に刻んで今日に至っております。
 ここに、日本盲人職能開発センター職員を代表して、心からのご冥福をお祈り申し上げます。

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日盲社協事務局だより
新規入会施設(人名は敬称略)
<自立支援施設部会>
◆岩手県視覚障害者福祉協会 岩手マッサージセンター
理事長 及川清隆、施設長 佐々木翼
〒020-0015岩手県盛岡市本町通3-6-20 TEL:019-652-7787 FAX:019-652-7787
E-mail:moujin-morioka@polka.ocn.ne.jp URL:http://www.iwate-sfk.com/mc.html
(平成28年7月入会)

<盲人用具部会>
◆株式会社システムイオ
代表取締役 池田大、本部長 菅野秀人
〒 108-0073 東京都港区三田3-14-10 三田三丁目MTビル9F
TEL:03-6809-4803 FAX:03-6809-4805 E-mail:f_nuri@systemio.co.jp
URL:http://www.systemio.co.jp (平成28年5月入会)
◆エクセル・オブ・メカトロニクス(株)
代表取締役 金澤恒雄
〒177-0052東京都練馬区関町東2-14-4 TEL:03-3928-8599 FAX:03-3928-6488
E-mail:info@excelmec.com URL:http://www.excel-mechatronics.com
(平成28年8月入会)

施設長変更(敬称略)
<点字出版部会>
◆岡山ライトハウス点字出版所
 新所長 川田正興(平成28年5月~)
◆毎日新聞社「点字毎日」編集部
 新編集長 三角真理(平成28年4月~)

<情報サービス部会>
◆岩手県立視聴覚障がい者情報センター
 新所長 千葉義郎(平成28年4月~)
◆群馬県立点字図書館
 新館長 亀井伸明(平成28年4月~)
◆神戸市立点字図書館
 新館長 松本麻紀(平成28年4月~)
◆天理教点字文庫
 新館長 板倉知幸(平成28年4月~)
◆奈良県立奈良県視覚障害者福祉センター
 新所長 今西隆宏(平成28年4月~)
◆西宮市視覚障害者図書館
 新館長 上村弘巳(平成28年4月~)
◆日本点字技能師協会
 新理事長 森幸久(平成28年4月~)
◆兵庫県点字図書館 新館長 田中環
◆福井県視覚障害者福祉協会
 情報提供センター
 新所長 宮下高晴(平成28年4月~)
◆点字図書館「明正会館」
 新施設長 近田吉充(平成27年4月~)
◆山形県立点字図書館
 新館長 村形和弘(平成28年4月~)
◆山口県点字図書館
 新館長 吉岡尚志(平成27年4月~)

<自立支援施設部会>
◆障害者支援施設 洛西寮
 新施設長 鍵田武彦(平成28年4月~)

法人名・施設名・施設長変更(敬称略)
<自立支援施設部会>
◆新法人名 社会福祉法人神奈川県総合
 リハビリテーション事業団
 新施設名 七沢自立支援ホーム
 新施設長 鄭健錫(平成28年6月~)
◆新施設名
 社会福祉法人全国ベーチェット協会
 視覚障害者支援センター 熊谷
 (平成28年10月~)
URL変更・住所変更・電話番号変更等

<点字出版部会>
◆一般社団法人 広島ブレイルセンター
新住所 〒732-0009広島市東区戸坂千足1-1-25河口ビル102 新FAX:082-516-8413
<情報サービス部会>
◆大分県点字図書館 新URL:http://oita-kenmou.on.coocan.jp/tentoindex.html
◆高知市立高知点字図書館 新住所 〒780-0842 高知市追手筋2-1-7
◆日本点字技能師協会 新TEL:080-1330-7282 新FAX:03-3729-4839
 新E-mail:nihontenjiginoushikyoukai@gmail.com
◆宮城県視覚障害者情報センター 新URL:http://www.miyagi-sikaku.org/
◆都城市社会福祉協議会 都城市点字図書館 
 新URL:http://www.m-syakyo.or.jp/effort/braille-library/

<生活施設部会>
◆京都ライトハウス盲養護老人ホーム船岡寮→新施設名盲養護老人ホームライトハウス朱雀
 新住所〒604-8434京都市中京区西ノ京新建町3 新TEL:075-803-1739
 新FAX:075-803-1738 新URL:suzaku@kyoto-lighthouse.or.jp

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編集後記
  読者より
 『日盲社協通信』前号(72号・平成28年4月発行)の最後の2ページ「サイトワールド2016」と「日盲社協レッツゴー事業所」の記事は、「広告」と記載すべきではなかったのでしょうか?
  編集長より
 それらは「広告」とはちょっと趣が違うので、小誌では記事扱いとしています。
 雑誌等で「PR」、「広告」と銘打つのは、「広告料をいただいているので掲載するが、その品質等についてメディアの発行元はなんら責任を負いません」ということを明確にするためです。
 一方、サイトワールドやレッツゴー事業所は、日盲社協が関与するイベントであり事業です。
 たとえば、「日本音楽コンクール」は、毎日新聞社と日本放送協会(NHK)が主催する日本のクラシック音楽の登竜門ですが、それを広報するときは、もちろん「PR」とか「広告」とかはつけません。
 次号の『日盲社協通信』は平成29年4月に発行する予定です。(福山博)
  情報提供のお願い
 本誌に対する情報提供・要望・苦情・意見・感想は、日盲社協広報委員長福山博宛、郵便やEメール(fukuyama@thka.jp)でお送りください。お待ちしております。

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アイサポートならレッツゴーのレッツ・エンジョイTOKYO
  日本最大のバスターミナル「バスタ新宿」
 本年(2016)5月9日、それまでJR新宿駅周辺に分散していた高速バスの発着が、同駅南口のJR新宿ミライタワー内「バスタ新宿」に集約されました。発着数は最大1,625便、118社のバスが乗り入れる日本最大のバスターミナルです。
 JR新宿駅「新南口」の改札口を出ればエスカレーター1本で4階の出発待合室に直結しており雨天でも傘は不要。4階トイレは2か所、繁忙期の出発直前の利用は外まで並ぶので避けましょう。
 バスタ新宿では、乗車券はインターネットで予約し、バスタ新宿の発券カウンター、自動販売機で購入します。電話予約はできませんのでご注意ください。乗車フロアはAからDエリアまでありますが、日時によって変更の可能性があるので、インフォメーションカウンターで尋ねましょう。視覚障害者単独の場合は、事前に申し込めば案内してもらえます。
 コンビニはありませんが、お土産や軽飲食は新南口「エキナカ」のニュウマン(NEWoMan)で用意でき、全国の地酒・珍味を集めたショップもあります。
  上野うさぎやの「日本酒うさ氷」
 今回ご紹介するのは東京都台東区上野1-17-5にある「うさぎやCAFE」(TEL03-6240-1561)の「日本酒うさ氷」。有名な和菓子の老舗「うさぎや」がプロデュースし、自慢の「あんこ」の良さをもっと知ってもらおうとはじめた和カフェです。
 日本酒うさ氷は、陶器の皿付お椀に盛られ、サクサクに削られた光り輝く氷がきれいな山の形に鎮座しています。大きめの器ですから、かき氷をスプーンで崩す際にお椀の外にこぼれることはありません。
 木製スプーンを手に取ると、すかさず「食べ方のご説明をさせていただきます。まずは山の中腹あたりをスプーンで氷を掻き分けていただきます。中に隠れているあんこが見えますか? そうしましたらスプーンの上にあんこを半分載せていただきます。つぎに光り輝く氷を半分載せていただきます。最後に日本酒を数滴あんこに注いでお召し上がり下さい」。
 口の中にあんこの甘さと、ジワーと日本酒の香りとほどよい甘みが広がり、舌に氷の冷たさが追い打ちをかける。これぞ「ハワイウォーターを凍らせた氷、どらやきのあん、どらやきの皮に用いるハチミツ」の三重奏。日本酒は広島の「旭鳳(きょく・ほう)」で、足りなければ100円追加で、もう一杯いただけます。氷はハワイウォーターを48時間丁寧に凍らせたものです。
  詳しくはレッツゴー事業所へどうぞ。
日盲社協レッツゴー事業所
TEL:03-6240-1714
http://www.lets-go.or.jp

●本誌は、全国労働者共済生活協同組合連合会の助成により作成したものです

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