日盲社協通信 平成29年(2017年)11月号(通巻75号)

PDF版でご覧になる方はこちら

 

テキスト版でご覧になる方はこちら

日盲社協通信 平成29年(2017年)11月号(通巻75号)
編集人:福山博   発行人:高橋秀治
発行所:社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)
National Council of the Agencies of the Welfare for the Blind (NCAWB)
http://www.ncawb.org/

*各みだしの前の行に「++」の記号がありますので、検索機能などでみだしを探す時にご活用ください。
++
もくじ
大きな広がりをめざして 理事長 髙橋秀治
全国大会開催をさらなる飛躍に 常務理事 舛尾政美
期待と不安と 常務理事 長岡雄一
(特集Ⅰ)第65回全国盲人福祉施設大会
(特集Ⅱ)『日本点字表記法』改訂版(案)の主な論点 京都ライトハウス 渡辺昭一、東京点字出版所 白井康晴、日本ライトハウス 福井哲也
 『日本点字表記法』改訂版(案)に対する意見募集
平成29年度点字指導員講習会報告 点字指導員研修委員会 委員長 大澤剛
第8回情報機器等の支援者講習会報告 情報機器等研修委員会 委員長 山田智直
国際福祉機器展の盲人用具部会 盲人用具部会 部会長 荒川明宏
盲人ホームと他機関との連携 杉光園 園長 髙橋喜美代
(特集Ⅲ)視覚障害者のための「選挙公報」
 突然の解散総選挙へもスピーディに対応 日盲委点字版部会 部会長 伊藤宣真
 緊密な連携と確かな信頼関係の中で ~音声版選挙公報の発行を終え感じたこと~
  日盲委音声版選挙公報製作委員会 委員長 又木勝人
 拡大文字版「選挙のお知らせ」の製作状況と、私の願い
  日盲委拡大文字版 部会長 三宅隆
より安全で快適なユーザー歩行の確立を
 ~ 日本盲導犬協会創立50周年式典 ~ 日本盲導犬協会常任理事 吉川明
日盲社協事務局だより
編集後記

++
大きな広がりをめざして
理事長 髙橋秀治
 6月22・23の両日、岐阜市で行われた日盲社協の全国盲人福祉施設大会で、「障害者差別解消法」と「あはき法19条訴訟」について、どう対応して行くべきかを学んだ。講師には大胡田誠弁護士と筑波技術大学の藤井亮輔教授が、その問題の背景と方向を丁寧に語ってくれた(4~6ページ参照)。
 いずれも現在進行中の話で、そう簡単に先が見通せるものではなく、問題について深い理解を求められたことを痛感した。
 差別解消法は一般の市民と障害者の共生社会をめざすものであり、あはき法19条問題はあん摩師の仕事が奪われる危険を含んでおり、団結した考えと行動が求められている。
 初日の「事業部会」(5部会)では、各部会がそれぞれの活動方針によって問題と取り組んできた。
 中でも注目されたのは、自立支援施設部会が8月に発行した『施設における虐待防止・差別解消実践解説書 ―― 対話してますか?』である。本書はすべての会員施設に配布されており、内容はかなり具体的なケースを取り上げて、どういう処理をしていくかが詳しく解説されている。皆さん、ぜひ読んでいただきたい。
 この本の編集者で部会のメンバーでもある、日本盲導犬協会の吉川明常任理事は、10月6日に東京で同協会の創立50周年記念会を開催している(20ページ参照)。この事業の広がりにより、視覚障害者が盲導犬と共に暮しながら、自分の行動範囲をどれほど広げられたかを思うと、関係者に心から感謝したい。
 さて、10月22日に衆議院議員総選挙が執行された。衆議院選挙は来年中に行われるだろうと思っていたが、「政治の都合」であっという間に選挙となった。日本盲人福祉委員会にある視覚障害者選挙情報支援プロジェクトも点字、音声、拡大文字の選挙公報製作に振り回された。そして時間に追われながらも何とかこなせたことは嬉しい限りである。
 こういう動きを見ると、平成29年度はまだ5カ月あるが、私たちの手がける仕事がだんだん広がって行くのを感じる。本部の事業としている杉光園の盲人ホームも、また同行援護で活躍しているレッツゴー事業所も、そして社会福祉法の改定により事務量が大きくなってきた本部事務局も、このまま行くとパソコン機材や事務資料で動きがとれなくなる恐れがありそうだ。今、緊急に慌てることではないが、それだけの活動が育ってきたことが嬉しい。現実は楽ではないが、今後はそういう周辺の動きにも気を使いながら、活動を続けて行きたい。
 皆さんと共に希望を失わないように進んで行きたい。

++
全国大会開催をさらなる飛躍に
常務理事 舛尾政美
 長良川に近い岐阜の会場で「来年は下関でお会いしましょう」とご挨拶をしてちょうど4か月が過ぎようとしています。
 振り返ってみると7月5日、山口県庁に村岡知事を訪ね、来年の全国大会への支援を陳情しました。 私たちの法人は平成20年すでに下関で全国大会開催に関わっており、あの時も自分たちの手でいかにすれば施設を大きく改善できるかを法人のテーマとして頑張りました。
 春光苑の屋根いっぱいに太陽光のパネルを貼り付け、環境に優しい電気を作ることを進め、ホームの電気代の10%を作ることができるようになったのであります。敷地内の公園や山などにソーラーシステム15基を設置して入浴用などのお湯の確保にも努めました。廊下や研修室の電気をLEDに変えて電気代の削減も進めました。井戸を2本掘って遊歩道の花や木の水やりに対応できるようにしました。屋内は廊下や階段など、屋外は表門や裏門や遊歩道などに防犯用カメラを設置して事故にも備えました。
 このたびは4月から社会福祉法人の制度が大きく変わる中で、会計システム『福祉大臣NX』のパワーアップを進め、短時間で試算表などができるようにしました。 また、防犯用カメラを新型に買い替え、警備機器の充実を図り、徘徊などに迅速に対応できるようにしました。
 養護盲老人ホームの入所者は入院後3か月を超え退院の見込みが立たない時は措置が切れてホームに帰ることができなくなり、入院を続けることもできなくなります。
 法人ではこのような場合、グループホームの付帯事業所に住所を移して入院が継続できるようにしています。また65歳以下で老人ホームに入所できない視覚障害者は一旦グループホームに入所し、65歳を超えて老人ホームに入所するようにしています。
 法人では視覚障害者はグループホームと養護盲老人ホームが生活を守り、デイセンターやヘルパーセンターが趣味や移動の自由を、さらに点字図書館や点字出版所などが情報を提供し文化の向上を図る、このようにして多角経営により法人の事業を維持しています。
 法人はこれからまず春光苑の屋外の遊歩道や公園、果樹園、梅林、竹林、栗林などの手入れを進め、次に屋内のカーテンや畳のやり替え、大掃除などを進め新春を迎える準備に取り掛かることとしており、春には遊歩道の水仙や梅をはじめ、桜、木蓮、ツツジなどの花を楽しみ、6月に遊歩道の紫陽花が満開となる頃、日盲社協の大会が開催される福祉の季節となります。この年は明治維新150年の記念すべき年であり、法人はこの大会をさらなる飛躍に役立てたいと願っています。
 「海峡の街、本州最西端の人の花咲く人の花咲く愛の街」下関で皆さんとお会いできる日をお待ちしています。(山口県盲人福祉協会理事長)

++
期待と不安と
常務理事 長岡雄一
 東京視覚障害者生活支援センターが日盲社協へと民間移譲されて半年以上が経過しました。社会福祉法人改革元年に新たなスタートを切ったことは、象徴的な出来事かとも思っています。
 半年を経てのセンターの現況はどうかと言えば、職員の頑張りもあって、コンスタントに利用者を受け入れることができ、予測した数値よりはいい状態で運営されてはいます。しかし、実際には一喜一憂とも言える状態は、今後もずっと続いていくのかとも感じています。
 一方で、指定管理が終了したという事は従来に比べると運営上の裁量は増えたということになり、それなりに運営上の工夫が求められているということにもつながっています。すべてが自由になった訳ではありませんが、縛りが少なくなった実感は少なからず感じられます。
 さらに、センターを取り巻く情勢は刻一刻と変化していると言う事ができます。
 特に顕著なのが、従来よりお話している医療と福祉の連携の問題でしょう。全国的に都道府県単位での「スマートサイト」設立の動きがありますが、東京も今年から来年にかけてスマートサイトの設立が計画され、現在、眼科医会が中心となって準備を進めています。
 すでに岐阜や愛知、大阪などではスマートサイトが設立され、運用されていると聞きますが、今後、東京という大きな自治体で、どう進んでいくのかは、私たち自身の当事者意識を持っての関わりとも切り離せない問題であり、しっかりと向き合うことが必要だと感じています。
 ただ、非常に気になることが一つあります。
 先日、視覚障害に関する先進的な支援機器の体験の場に立ち会う機会がありました。その場でお会いした方々は、ともに地方の方で、インターネットを通して、体験のことを知り、応募された様子でした。
 ちょうど時期がサイトワールドの始まる2日前だと記憶していますが、インターネットを通してこうした情報を獲得できる方々が、いわゆる一般的な支援機器については、あまり情報をお持ちでないようで、サイトワールドについても、その存在すらご存じありませんでした。その方々は、その日のうちにお帰りになるとのことで、サイトワールドに行けないことを、非常に残念がっていました。
 少なくない数の視覚障害当時者が視覚障害者用の時計を知らなかった2011年の東日本大震災から6年以上を経て、用具の周知は進んでいないのかと愕然とする思いでした。
 私達はこうした情報の格差をどう解消していくべきなのか、改めて考えなくてはと思います。(東京視覚障害者生活支援センター所長)

++
(特集Ⅰ)第65回全国盲人福祉施設大会
 日盲社協第65回全国盲人福祉施設大会が、岐阜アソシアを主管施設に6月23・24の両日、全国から関係者約200名を集めて、「岐阜グランドホテル」で開催された。
 初日には開会式・オリエンテーションと研修会、それに各事業部会(5部会)、交流会が行われ、二日目には講演、受賞ボランティア懇親会、式典・表彰式が行われた。
 歓迎の挨拶で主管施設・岐阜アソシアの山田智直館長は、今年(2017年)は信長公が岐阜に入城し、岐阜と命名してから450年を迎えると紹介した。
 初日の研修会では、長岡雄一常務理事を司会進行に、大胡田誠弁護士による「障害者差別解消法について」をテーマにした講演とそれに続く質疑応答が行われた。
    大胡田弁護士の講演(要旨)
 弁護士に成り立ての頃は、全盲であるため依頼者からなかなか信頼してもらえず悩んだ。そんな折、初めて会ったときの印象は表情や外見から55%、声のトーンや話し方から38%、しかし言葉の内容からはわずか7%しか受けないという米国の心理学者アルバート・メラビアンの本に出合った。
 そこでミュージカル俳優の知人に相談すると、口角を5mm上げると誰でもとても親近感のわく表情になり、背筋を伸ばして、喉の奥を開いて、肩の力を抜いてゆっくり話すと相手に伝わりやすいとアドバイスされ、以来それを実践している。
 昨年4月から日本でも、障害者差別解消法が施行され、障害という概念が大きく変わった。従来は目が見えない、耳が聞こえない、足が動かないというように機能に欠陥があることを障害(医学モデル)と考えてきた。最近は、その人自身の機能の欠陥ではなく、多様な人が生活しているにも関わらず、多様な人の存在を無視して作られてしまった社会の不備こそが障害(社会モデル)であると考えるようになった。この「障害の社会モデル」を基にして作られたのが、国連の障害者の権利条約や日本の障害者差別解消法で、これらの条約や法律では、社会の側に合理的配慮が課される。
 障害者への差別には四つあり、①「直接差別」は、障害を理由に区別、排除、制限すること。例えば入学試験を障害を理由に受けさせないなど。②「間接差別」は、一見中立そうに見えるルールを適応することで障害者が区別されたり、排除されたりする効果を生んでしまうこと。例えば受験の条件に普通の文字が読めることとか、口頭での会話ができることで、視覚障害者や聴覚障害者を排除すること。③「関連差別」は障害に密接に関連する事項に着目して区別や排除、制限すること。例えば盲導犬の入店はお断りとか、車椅子を使ってくることは認めないということ。④は「合理的な配慮を行わないこと」、障害者へ実質的な平等を確保するために行う手助けとか、設備の改良、ルールの変更などを行わないことも一つの差別とされた。このことにはとても大きな意義があり、障害者に適切な配慮を提供しない、いわば不作為も差別になると定められた。
 ところで法律では、過重な負担となる場合には事業者側は配慮を提供しなくてもよいとなっている。ガイドラインでは、過重な負担かどうか判断する五つの要素が示されており、①事務・事業への影響の程度、②実現可能性の程度、③費用や負担の程度、④事務事業の規模、⑤財務財政状況で、これらを総合的に勘案して加重かどうかを判断することになっているが、この場合も障害者と事業者側が代替手段がないかどうか一緒に考えてみることが重要になる。これを「建設的な対話」といい、障害者と健常者の間の建設的な対話を通じて適切な配慮を見いだしていこうとするのが、合理的配慮である。配慮というのは、どちらかが一方的に提供するものではなくて、障害者の側からも説明をしたり、歩み寄っていかなければいけない。そういった建設的な対話で社会を変えていくのだということが、差別解消法の一番の肝である。
 ただ、障害者差別解消法には、紛争解決手段の欠如という重大な問題がある。そこで着目したいのは、各地域の差別禁止条例だ。例えば千葉県は平成19年にできた条例で、県下600人の相談員と16人の公益専門指導員(非常勤の職員)を配置して、差別があった場合の相談窓口になり、年間約200件の紛争解決に当たっている。
    大会二日目
 6月24日には岐阜盲学校理療科主任の貝川智博教諭の司会進行で、「あん摩師等法19条裁判の論点と行方」と題して筑波技術大学藤井亮輔教授による講演が行われた。
 藤井教授は、まず、あん摩師等法19条に関する訴訟は、あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格が得られる養成施設の新設を申請した学校法人が原告で、「19条の制定から50年が経って雇用環境や生活水準は改善し、あはき以外の道も視覚障害者に開かれている」として、新設が認められないのは憲法22条(職業選択の自由)を侵害しているとして国を訴えたものと訴訟の概要を解説。その上で、あはき19条は視覚障害あん摩マッサージ指圧師(あマ指師)の経済的自立を確保する目的で昭和39年に制定されたと当時の時代背景を説明。その上で、あマ指師を対象に昨年行った実態調査から、需要バランスの見通しなどを報告した。
 それによると、一カ月に施術を受けた人の延べ数が推定407万2000人であるのに対し、就業者は推定9万6000人で、一人が扱う患者数は月平均42人となり、あマ指師はすでに充分すぎる人員が供給されている。このうえ、19条を撤廃してあマ指師を増やせば、さらに競争が激化し、視覚障害者の就業環境がさらに厳しくなると問題の深刻さを強調した。
 本講演と同時に別会場であるホテル内の「孔雀の間」では、「受賞ボランティア懇親会」が開催された。日盲社協山口規子評議員による司会進行で、本間昭雄名誉会長挨拶、理事長挨拶、受賞者自己紹介に続き懇談が行われた。
 式典では、例年どおり、ボランティアに対する感謝状贈呈、永年勤続職員に対する表彰状贈呈、援護功労者に対する感謝状贈呈並びに特別感謝状贈呈が行われた。
 そして最後に次期第66回大会の主管施設を代表して山口県盲人福祉協会点字図書館岡本博美館長から「来年、下関でお会いしましょう」と挨拶があった。
アピール
 日本盲人社会福祉施設協議会は、1953(昭和28)年の結成以来、視覚障害者のQOL(生活の質)の向上や情報環境の改善等を目的に、時代の変化や多様化する視覚障害者のニーズに対応し、研究や実践を積み重ね、着実にその成果を成し遂げてきました。
 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が、昨年4月1日に施行され1年余り経過しました。この間、同法の主要な概念である合理的配慮に対する行政・民間等の取り組みは、若干の改善はみられるものの、現状はハード面、ソフト面とも、理想とは程遠く、これまで以上の啓発が不可欠であると言わざるを得ません。また、視覚に障害のあるマッサージ師の職業的、経済的自立を確保するための、いわゆる「あはき法19条」問題も、関係団体等と連携し取り組まなければならない事案であり、すべての視覚障害者が持てる能力をいかんなく発揮できる社会の到来こそ、国の進める「一億総活躍社会」の実現に繋がっていくはずです。
 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、各分野において様々な取り組みが進行しております。私たちもこの機会を千載一遇のチャンスと捉え、視覚障害者が住みよい社会を実現していくための施策を協議し、国に強く訴えていく必要があります。
 日盲社協の各事業部会では、直面する課題の解決や専門技術の研鑽のため研修会等を開催し、事業の質の向上に努めるとともに、本大会の決議文のとおり、「選挙のお知らせ」を選挙公報として発行することの義務付けや点訳・音訳員養成事業の地域生活支援事業における必須事業化等、関係する様々な制度の見直し等により、より良い福祉社会の実現に向け、各事業要件の改善を求めていきます。
 国内外を問わず、社会情勢は激しく変化しています。日盲社協においても、このたびの社会福祉法の改正に伴い、法人としての在り方を改めて自覚し、実践しなければなりません。この4月から東京視覚障害者生活支援センターが東京都から移譲され、新たなステージへ移行する節目の年となりました。同センターを始め日盲社協の各事業に対して、より経営的な視点を持ち、その充実に向け取り組んでいくことが視覚障害者の社会参加を促進するものと確信します。
 今大会を主管された岐阜アソシアは「出会い、触れ合い、語り合い」をテーマに、独身視覚障害者の出会いの場「かがり火」を企画・運営されており、その歴史は50年以上になります。この地での出会いが人生の分岐点となり幸福な人生を送られている方々も数多くいらっしゃいます。
 私たちは山積する課題を真摯に受け止め、会員施設が事業の活性化に取り組み、連携を深め「視覚障害者福祉の向上」という共通目的を達成するための分岐点となるよう、出会いの地「岐阜」で宣言します。
平成29年6月23日
第65回全国盲人福祉施設大会
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会
大会決議
 1. 選挙公報は、国民の基本的人権である参政権行使のための重要な情報源であり、「公職選挙法」では国政等の選挙で発行が義務づけられています。視覚障害者等のために発行される点字版・音声版・拡大版の「選挙のお知らせ」も、選挙公報として発行が義務づけられることを強く要望します。
 また、「選挙のお知らせ」が有権者に届けられていなかったり、投票所においては、秘密保持の問題事例や盲ろう者等視聴覚障害者が適切な支援がないために選挙権が行使できなかったりしています。都道府県の選挙管理委員会に対し、こうした事例が改善されるよう指導強化を切に要望します。
 1. 点字出版所は視覚障害関係事業の中で最も古い歴史があり、視覚障害者の社会進出と社会参加を支えて来ました。主な事業である点字教科書・点字図書・点字版選挙公報・各種広報誌の安定供給には、点字製版機や印刷機を常に万全の状態に維持する必要があります。そのため、点字製版・印刷機の新規購入や保守管理等の費用について補助されることを強く要望します。
 1. 意思疎通支援事業において「点訳、代筆、代読、音声訳等による支援事業」が必須事業と位置付けられているにも関わらず、その養成研修は任意事業となっています。こうした実情を踏まえ、総合支援法の地域生活支援事業における「点訳・音訳員養成」事業の「必須事業」化を要望します。
 1. 社会の急速な情報化による視覚障害者の情報格差の解消と情報通信技術の利用・活用の拡充、さらには障害者の情報アクセシビリティを一層促進するためにさまざまな取り組みを行っている視覚障害者情報提供施設に、「情報化対応支援員」を設置基準に位置付け、1名増員を要望します。
 1. 機能訓練サービスについて、視覚障害者の多様なニーズや支援の専門性の観点から短期、長期の利用が可能となる柔軟な制度の運用、福祉資源の乏しい地域の解消のための制度の見直し並びに専門職の養成の充実を要望します。
 1. 盲導犬(補助犬)育成については、都道府県地域生活支援事業の任意事業に位置づけられており、盲導犬育成経費の公的支援は60%を下回っています。これを100%受けられるよう制度の見直しを要望します。
 1. 同行援護サービスについて、通所・通勤・通学目的の利用においても適正なアセスメントとサービス利用計画の下、制度利用ができるよう要件の見直しを要望します。
 1. 障害者総合支援法における「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」要件について、対象利用者数に応じた単位数の増加変更を要望します。(例:現行「対象利用者が30%以上利用実態にて41単位」に加え50%以上60単位、70%以上90単位等)
 1. 養護盲老人ホームに入所する際の、入所希望者の経済要件を緩和されるよう要望します。
 1. 65歳を過ぎてから失明した視覚障害者も、グループホームに入所できるよう入所要件の改善を要望します。
 1. 視覚障害者が就労できる場所は非常に少ないので、就労継続支援A型事業所又はB型事業所においては、視覚障害者の場合は70歳までは就労できるように入所要件の改善を要望します。
 1. 日常生活用具に関する給付について、合理的でない給付条件を撤廃されたい。
 1. 各市区町村の福祉課窓口で視覚障害者に対しては日常生活用具等の給付事業内容について説明することを要望します。
平成29年6月23日
第65回全国盲人福祉施設大会
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会

++
(特集Ⅱ)『日本点字表記法』改訂版(案)の主な論点

 京都ライトハウス渡辺昭一、東京点字出版所白井康晴、日本ライトハウス福井哲也

《テキスト版凡例》
 この記事中、点字記号を明示するときは、外字符を「[56]」のように、点の番号を[ ]で囲んでしめした。数符(3456の点)は、「[数符]」、マスあけは「□」で表した。

 日本点字委員会は、2018年度中に点字表記法改訂版の発行を目指しており、本年11月1日に、現時点の改訂案全文(2~5章)および主な変更点を公開し、2018年2月末を締切として意見募集を開始している。多くの方からのご意見をお願いする。本稿では、このたびの改訂案が現行表記法(2001年版)からどこがどのように変わっているか、主だったところを紹介することとする。
 案公開までの経過および公開資料、意見募集の様式・方法・提出先等については、「日点委通信No.33」(2017.11.1)に掲載されている。また改訂案全文を含めた情報は日点委ホームページ(www.braille.jp)にアップされている。
 なお、本稿の執筆は、2章・3章を渡辺昭一、4章を白井康晴、5章を福井哲也が担当した。

  第2章 語の書き表し方
 1.基本的な仮名遣いの促音の注意を「次のような促音化にゆれのある語は、意味の理解を容易にするために、なるべく「キ」「ク」「ツ」と書き表す」とし、「冊数(サツスー)」などの用例を追加した。
 2.その他の仮名遣いでは、小文字符の用途を詳述し、「小文字符は、墨字の小文字を明確にするときなどの特別な用途に用いるものであり、一般の点字表記で拗音や特殊音などを表すために用いてはならない」とした。
 3.数字の位取り点について、「一般文章中でも必要な場合には、6桁まで位取り点を添えて数字で書き表してもよい」という現行規定の「6桁まで」を削除した。
 4.およその数などの項を新設し、「数字を重ねるおよその数」と「数(スー)、何(ナン)、幾(イク)」などで表すおよその数」に整理した。「およその数を「数千」「何百」「幾十」などと表す場合、「数、何、幾」などの後ろの位を仮名で書き表すが、十の位は数字を用いてもよい。「数、何、幾」などで表す位に上の位がある場合には、その位を仮名で書き表し、後ろを一マスあける。ただし、「数、何、幾」で表す位が一の位の場合は、その上の位を数字で書き表し、4桁まではひと続きに書き表す」とし、用例を三つに分けて示した。
 5.「五重塔([数符]5ジューノ□トー)」の用例は従来ひと続きであったが、今回変更した。
 6.2章では外字符・外国語引用符・情報処理囲み符合の基本的な使い方を示し、詳細な用法については第4章に移動した。
 7.外国語引用符について「語句や文を書き表すアルファベットを日本語文中に書く場合には、原則としてその前後ろを外国語引用符で囲む」とし、「外国語引用符の内側は、一般文章中では縮約を用いず、フルスペルで書く」とした。また、注意2で「外国語の語句などを表すアルファベットでも、外字符を前置して書き表してもよい」とした。
 8.アルファベットと仮名の間の表記について、つなぎ符をはさむ「OL[36]らしい」と仮名の助動詞の前を区切る「UFO□らしい」の用例を示した。

  第3章 語の区切り目の分かち書きと
  自立語や固有名詞内部の切れ続き
 学校文法に基づきながら、できるだけわかりやすい表現を心がけた。
 1.従来の「自立可能な意味の成分」は、「独立性の強い意味のまとまり」、「副次的な意味の成分」は、「独立性の弱い要素」と表現し、「造語要素」という用語は、わかりにくいので、使用を避けた。
 2.規則は、「書き表す」の言い切りの表現の他に、「書き表すことを原則とする」(例外があることを意識した表現)、「書き表してもよい」(許容を認める表現)の3種類を用い、従来使用されてきた「・・・できる」は用いなかった。
 3.形式名詞の用例中「言わんこっちゃないよ(イワン□コッチャ□ナイヨ)」「もうちょっとんとこじゃ(モー□チョットン□トコジャ)」を変更し、分かち書きすることとした。
 4.補助用言の用例に「書いてない
(カイテ□ナイ)」を追加すると共に、音韻変化の注意に「「てない」「でない」の「ない」が「いない」の「い」の省略と考えられる場合には、続けて書き表してもよい」という規則を残し、用例として「誰も住んでない家(ダレモ□スンデナイ□イエ)」を入れて両案併記とした。
 5.接頭語や接尾語などの規則の中で、「連体詞的な関係」という表現がわかりにくいので削除した。
 6.「車椅子」の用例については、議論が分かれているので、続ける用例の他に、区切る用例を追加した。
 7.漢字や仮名で書き表された単位の切れ続きについては、2節5.に位置付けた。
 8.固有名詞のつなぎ符使用の用例「ウ[36]タント」「ダ[36]ビンチ」を削除した。

  第4章 文の構成と表記符合の用法
 1.2001年版では、4章6節に位置付けていた段落・見出し・箇条書きなどを取り上げた部分は、文章全体の構成の仕方を表すものなので、5章に移動した。
 2.点字では中点を使わず原則として一マスあけや二マスあけを使って表す区切りについても明示した。「東京・神田の町並み(トーキョー□カンダノ□マチナミ)」「所長・鈴木太郎殿(ショチョー□□スズキ□タロー□ドノ)」といった具合である。
 3.スラッシュの用法について、これまでは2章で略称の中でのみ使ってよいことがこっそり書かれていたが、数字とアルファベットとの間に限るものの、より広く使用できるものとしてここで取り上げた。
インフルエンザの型である「A/H1N1([56][6]a[34][6]h[数符]1[56][6]n[数符]1)」、
血圧の慣習的表示である「125/85([数符]数125[56][34][数符]85)」、
乾電池の製品番号「LR6N/4B([56][6][6]lr[数符]6[56][6]n[34][数符]4[56][6]b)」
などを例に挙げている。
 4.2001年版の表記法採用以後は点字の世界でも読点・中点の使用がかなり定着したことを受けて、それらの使用を「標準」と位置付け、それらをマスあけによって表せることは「注意」とした。
 5.「2、3日([数符]2[数符]3ニチ)」のようなおよその数、「五・一五事件([数符]5[数符]15□ジケン)」といった日付の略記などに用いられている中点や読点は省略して、数符をはさんで続けて書くことは従来通りだが、「5・6年生」のように数字の並列とも見られるものは、「[数符]5□[数符]6ネンセイ」とマスあけして書けることを明示した。
 6.第1カッコ [2356]~[2356] が第2カッコ [5][2356]~[2356][2] より優先されるのと同様、第1カギ [36]~[36] も第2カギ [56][3]~[6][23] より優先することを原則とした。
 7.点訳者挿入符 [2356][2356]~[2356][2356] は、点訳者のためではなく点訳のための挿入符であることを明確にするため「点訳挿入符」と名称を改めた。
 8.文中注記符 [56][23] を用いる場所は「語句や文の直後を原則とするが、注記があることをいち早く知らせる必要がある場合等では、語句や文の直前に置いてもよい」と注意を改めた。
 9.伏せ字類の用法について、ひと続きに書き表す意味のまとまりの一部に伏せ字を用いる場合、伏せ字の後ろの仮名との間は
「○月×日([5]マ[36]ガツ□[5]メ[36]ニチ)」
のように第1つなぎ符をはさむが、伏せ字の後に数符や外字符が続く場合には、
「○○400型([5]マ[5]マ[数符]400ガタ)」
「××kHz([5]メ[5]メ[56]k[6]hz)」
のようにつなぎ符は不要とした。
 10.新たな符合として、アットマーク (@)「[56][246]」を加えた。
 11.文末の句点・疑問符・感嘆符の後ろは本来二マスあけだが、棒線、矢印類、カッコ類・点訳挿入符の開き符合が来るときは、文脈により一マスあけも選択できるようにした。
 12.第1カギや第1カッコ・点訳挿入符などの閉じ符合の前に読点を書くと他の記号に読めてしまうことから、これまで読点を「省略することができる」としていたのを「省略することを原則とする」として、やや表現を強めた。
 13.二重カギの内側にカギを続けたい場合、第2カギを用いる方法に加え、一マスあけて第1カギを用いるという工夫の仕方も可とした。
 14.2001年版では5節の後半に位置付けていた別体系の点字との共存の仕方は、内容を拡充して6~8節に位置付けた。
 15.外国語点字についての6節では、一般文章では旧アメリカ式英語点字(EBAE)の慣習を残した書き方をする一方、英語の教科書等では統一英語点字(UEB)を用いることなどを中心に取り上げている。
 16.2001年版では「参考資料」を参照する形となっていた情報処理用点字の書き方を、ホームページやEメールアドレスなどの書き方に内容を限って7節に位置付けた。
 17.8節の数学記号・理科記号・楽譜については、用例を2001年版よりもやや基本的なものにしぼった。

  第5章 書き方の形式と
  点訳のための配慮
 1.本来前の語に続けて書く助詞や助動詞などから行移しできる場合について、2001年版より要件を詳しくし、用例も大幅に見直した。
 2.見出しの数字の序列について、これまで示していた [数符]1、[数符]1[256]、[2356][数符]1[2356] に加え、「これらよりさらに1ランク下の見出しを使う必要がある場合」、他のカッコ類やカギ類で囲む方法と共に、 [236][数符]1[356] が使えることを新たに規定した。
 3.区切り線と枠線については、このたびの改訂案ではじめて取り上げた。章や節などの大きな区切りには 
[25][25][25][25][25][25] 
や 
[2][2][2][2][2][2] 
などの区切り線が使用できること、表や囲み記事を本文中に挿入するときは 
[235][25][25][25][25][256] [125][25][25][25][25][245] や 
[235][2][2][2][2][256 [125][2][2][2][2][245] 
などの枠線で囲むことを示した。
 4.詩について、書き出し位置に差があり、さらに2行以上にまたがる詩の例を3通りの書き方で示した(「老いた船」の例)。
 5.脚本の例で、人物名を行頭から書き、台詞の2行目以下を二マス下げる書き方における情景説明の表記方法を変更した。2001年版では、段落挿入符[2356][2356]~[2356][2356] で囲んだ情景説明は5マス目からはじめ、2行目以降は3マス目からとなっていたが、改訂案では、行頭からはじめて2行目以降は3マス目からとした(「機の音」の例)。
 6.表で数字を縦に並べる場合、数符の位置を揃える書き方が優先で、内容により位を揃える書き方も可能とした。また、表の例を大幅に見直した。
 7.目次について、「必要に応じて第1巻に2巻目以降の概略項目を記載する」ことを加えたほか、見出しとページ数の間は「2の点や5の点などでつなぐ」とし、5の点でつなぐ書き方を新たに示した。
 8.索引については、索引の掲載場所を複数示したほか、索引項目の配列順序、索引の巻・ページ・行を示す数字の書き方を具体的に示した。
 9.5節は、これまで「点字化のための配慮」だったのを「点訳のための配慮」と改めた。そして、2章~5章4節までの規則との対応で、特に点訳に当たって留意すべき事項を記載した。この節は、2001年版に比べ取り上げる事項がかなり増え、詳しくなっている。

++
『日本点字表記法』改訂版(案)に対する意見募集
 日本点字委員会(日点委)では、『日本点字表記法』の改訂版発行に先立ち、ホームページ上に改訂案を公開し、2018年2月28日を締め切りに意見を募集しています。プリントアウトした『改訂版(案)第2~5章、2001年版 第6・7章』(点字全3巻2,200円・墨字700円)と『改訂版(案)における主な変更点』(点字全1巻250円・墨字150円)の有償提供もおこなっています。くわしくは、日点委事務局へ。
 ※墨字版は送料別途(ゆうメール実費相当額)頂戴いたします。金額は、お申し込み時にお知らせします。
 ※点字版は第3巻が第6・7章です。これのみ打ち出さない場合は200円引き。
    ■意見提出の様式:
 ①氏名または団体名
 ②指摘箇所(できるだけ具体的に章・節・項、もしくはページ数を明記してください。なお、現行表記法を原案とする第6・7章については、ページ数だけでなく、章番号を必ず記載してください)
 ③意見・コメント
 ④代案(あれば)
 ※指摘箇所が広範囲にわたる場合には「全般」等とお書きください。
 ※様式に則っていれば点字、墨字を問いません。
    ■提出先:日点委事務局
〒169-8586東京都新宿区高田馬場1-23-4 日本点字図書館内
電話:03-3209-0671
FAX:03-3209-0672
Eメール:wadat@nittento.or.jp

++
平成29年度点字指導員講習会報告
点字指導員研修委員会 委員長 大澤剛
 日盲社協情報サービス部会(担当:点字指導員研修委員会)は、8月28・29の両日、「平成29年度点字指導員講習会」を大阪市の山西福祉記念会館で行った。
 今年は点字指導員有資格者の研修会を行い、内容を凝縮して、はじめて二日間の日程で行った。
 日本点字表記法の改正が進む中での今年の研修では、点字表記に関する講義が多く行われた。
 28日には「日本点字表記法改定について」、「医学用語の分かち書き ―― 日本点字委員会からの答申を中心に」と題して、二つの講義が行われた。
 29日の午前中には、点訳には必須事項であり、多くの指導員が苦労している「校正者の養成について」、視覚障害者の情報入手の手段として広く利用されるようになったサピエに登録する点字登録文書の基準について改正のポイントが講義された。また、午後からは点訳者のバイブル的書籍として広く使われている点訳のてびきの改訂状況が講義され、熱心に受講する指導員の姿が印象的だった。
 今年の研修には、全国から定員100名に対し140名余の申し込みを頂いた。会場の都合とは言え、複数の方が申し込んだ施設・グループを中心に、人員を減らさざるをえなくなったことは申し訳ない限りである。
 今回から指導員有資格者の研修を2日にしたことで、的を絞った中身の濃い研修を行うことができた。この研修のためにご多忙の中講師を引き受けて下さったみなさまをはじめ、スタッフのみなさま、そして受講して下さった指導員のみなさまにこの紙面をお借りし、心からの感謝を申し上げ、報告としたい。

++
第8回情報機器等の支援者講習会報告
情報機器等研修委員会委員長 山田智直
 日盲社協情報サービス部会は、8月2日~4日、日本ライトハウス情報文化センター(情文)で、標記講習会を25団体29名の参加で次のように実施した(敬称略)。
<第1日目>
 講義1「スクリーンリーダー(PCトーカーとNVDA)の比較 インストール編」日本ライトハウス情文 松本一寛
 講義2「スクリーンリーダーの比較 使用編」日本ライトハウス情文 松本一寛
<第2日目>
 講義3「最新機器の紹介」日本点字図書館清水重人
 講義4「ロービジョンについて」日本ライトハウス情文 岡田弥
 講義5「iOSとAndroid」品川博之
 講義6「iOSアプリいろいろ」福島県点字図書館 野地美行
<第3日目>
 講義7「IT指導疑似体験」日本ライトハウス情文 岡田弥
 「情報交換会」
    まとめ
 今回は今までに要望が多く、視覚障害者にはハードルが高いと思われるスクリーンリーダー・NVDAとAndroidタブレットを講習の中に取り入れてみた。その内容に対して受講された人も何人かおり、それらに対する質問も多く、関心の高さがうかがえた。情報機器に精通した視覚障害者にはこれらのものは大きな力となるが、大半の視覚障害者にとっては、やはりハードルが高い。NVDAはフリーソフトのため、不具合があっても自己責任であることと、Androidタブレットについては、いろいろなメーカーと機種がありすぎて、それらの「ジェスチャー」が若干異なっているので、何をお勧めしていいのかが応えられないのが現状である。これらのことを比較することにより、受講生に対して、十分にお勧めできないことが伝えられたと思う。
    今後の課題
 毎回、会場をお借りする施設には、機器のレンタル期間でのセットアップとなるため、多大な負担をかけてしまうのが現状である。今回は1名のスタッフを前日に派遣することにより、ある程度その負担を軽減できたものと思われる。引き続き、このような方法でできればと思う。
 また、最新機器の紹介、これから発売される機器の紹介となると、どうしても開発業者、あるいは発売元の業者の招聘が不可欠となってくる。業者にしてみれば宣伝も兼ねているものの、東京から大阪となると、その負担もかなりのものである。できれば、交通費など費用弁償があると依頼がしやすい。

++
東京都民共済生活協同組合助成事業
国際福祉機器展の盲人用具部会
盲人用具部会 部会長 荒川明宏
 9月27日から三日間、昨年に引き続き国際福祉機器展に日盲社協盲人用具部会として出展しました。
 国際福祉機器展は、毎年9月または10月に、東京のビッグサイトで開催される展示会で、介護関連の機器を中心に福祉に関連する物が多数出展されます。来場者は10万人を超えますが、視覚障害に携わる人たちや当事者はあまり来場されません。現在は介護関連がかなり多く出展されています。
 盲人用具部会の重要な活動の一つに、健常者にも視覚障害者用の関連機器を知ってもらい、理解の輪を広げていくというものがあります。国際福祉機器展は一般の来場者が多く、視覚障害関連機器を知ってもらうにはよい場所と考え参加しました。
 会場では点字や白杖といった生活にはとても重要な物を体験してもらえるように配置しました。
 その他生活を便利にする様々な機器として、携帯型の拡大読書器、紙幣/電子マネーの残高確認の機器、デイジープレイヤーなども実際に体験できるようにしました。
また、「知っていますか? 目が見えない、見えにくい人の便利な用具」というガイドブックを作成し、会場で多くの来場者に配布しました。
 この中で特に力を入れたのが「点字サイン」についてでした。最近多くの所に点字表記が行われるようになりました。これはとてもすばらしいことですが、中には読むことができない点字も存在しています。このような問題を日本点字図書館の図書製作部長の和田勉氏に取り上げてもらいました。
 来場者からは初めて触る機器への驚きや、実際に白杖を使って点字ブロックの上を歩いてもらい、視覚障害者の歩行がどのように大変か少しだけわかったという声をいただきました。
 このような取り組みは1企業で行うことは難しく、日盲社協盲人用具部会だからこそできた活動と、部会の参加者も共通認識を持つことができました。
 視覚障害者は情報障害者と言われています。この「情報障害」を少しでもなくすためには、一般の人への認知がより必要と私は改めて感じました。

++
盲人ホームと他機関との連携
杉光園園長 髙橋喜美代
 杉光園の園長に就任させて頂いてから一年七ヶ月。振り返ってみれば長かったような短かったような気がしています。
 着任以前に私が想像していた盲人ホームのイメージは、就労を目標に技術練習や周辺業務、接客・接遇などの向上を目標に日々頑張っている利用者さんたちの姿でした。しかし現状は、「私たちはプロだから掃除なんかしない」、「技術を見たければ施術料金を払って欲しい」という利用者さん、来たかと思えば練習どころか毛布をかぶって高いびきで寝てしまう利用者さん、お茶を飲みながら世間話を続ける利用者さんなどの姿でした。私は、戸惑いと失望でいっぱいになった事を思い出します。
 何から手を付けたらよいのか、私の考え方が間違っていたのかと思い悩んでいた時期に日盲社協の大会が開催されました。
 以前から存じ上げていた事もあり、陽光園の髙橋博行園長に話を聞いてもらいました。「先生が考える盲人ホームの姿は間違ってはいない。ぜひ、信念を持って頑張って欲しい。これからも機会があったら情報交換をしていきましょう」と背中を押して頂いたのが切っ掛けで「連携」ということを考え始めました。
 手始めに、盲人ホームを利用している人達の就労に向けての課題を理解してもらい、連携を図る事を目的に都内の公立盲学校との「連絡協議会」を昨年12月に実施しました。ご参加頂いた先生方からも「課題を抱える施術者は社会自立に向けての障壁が多く、取り除くには連携が必要だ」とのご意見をいただきました。
 冒頭で上げたような課題は指導により簡単に解決できることだと思います。本当の課題は障害が多様化する中で、その人たちをどの様に理解し、支援して就労に繋げていくことができるのかということだと考えています。盲人ホームには他にもまだ課題はあります。長い期間盲人ホームに通って来ていても就労に繋げることができそうもない利用者の今後の対応。補助金が削減されてしまうと運営ができなくなってしまう厳しい現状。
 このようなことを陽光園の髙橋先生と話し合う中で、課題を少しでも解決していくために、「連携の輪」を広げ、今年は二つの盲人ホームが連携して「多様化する障害に対する指導」をメインテーマに第2回目の「連絡協議会」を12月に開催します。一人では、一施設ではできないことも、みんなで連携して行くことで大きな力になると思います。そのためにも少しずつ他の機関との「連携の輪」を広げて行きたいと考えています。

++
(特集Ⅲ)視覚障害者のための「選挙公報」
突然の解散総選挙へもスピーディに対応
日盲委点字版部会 部会長 伊藤宣真
 このたびの衆議院議員選挙では、日本盲人福祉委員会(日盲委)視覚障害者選挙情報支援プロジェクト点字版部会加盟23施設が協力製作し、点字毎日号外選挙のお知らせ及び国民審査のお知らせ全文点訳版(いわゆる点字版選挙公報)合計8万5千部を全国の視覚障害者に届けました。
 内訳は、47すべての都道府県の選挙管理委員会からの国民審査及び比例区それぞれ約3万部と、30の都道府県の選挙管理委員会からの小選挙区合計約2万5千部です。
 点字版部会では、内閣支持率が低かった今夏、8月1日と4日に大阪と東京で研修会を開きました。年内に選挙はないだろうけれどももしもに備えてのことでしたが、9月17日、「衆議院解散強まる」のニュースが流れました。25日の記者会見で、安倍総理は28日召集の臨時国会冒頭での衆議院の解散・総選挙を行うことを表明。28日解散。10月10日公示、22日投票という、極めて短期間での総選挙となりました。そのため点字版部会は9月26日事務局会議を、10月2日に全体会を開催し速やかな対応をとりましたが、野党の動きが混乱したため、なかなか事前情報がつかめず、公示を待たないと候補者が確定しないなど、作成のスタートから遅れが危ぶまれました。しかし休日出勤や夜遅くまでの作業などで、基本的には10月17日選挙管理委員会納品の目標は達成できました。短期間のことでしたのでミスもあり、関係した選挙管理委員会、配布担当施設には大変ご迷惑をおかけいたしましたが、最終的には正確な情報を視覚障害有権者に届けることができました。
 今回の点字版選挙公報の作成は、通常の業務の繁忙に加え人材の不足もあり、分担を決める会議では一時は手詰まり状態になりましたが、この意義ある情報保障が達成されたことは各施設の努力のたまものと感謝し、ご報告申し上げます。

++
緊密な連携と確かな信頼関係の中で
~ 音声版選挙公報の発行を終え感じたこと ~
日盲委音声版選挙公報製作委員会 委員長 又木勝人
 「納品が、全施設から確認できました」、日本ライトハウスにある事務局からのメールを見て、ひとまず胸を撫でおろした。
 お盆を過ぎた頃から噂を耳にしていたものの、年内解散はないだろうと、気を抜いていた衆議院選挙。やはり来たか! の思いが頭をよぎった。
 9月28日衆議院解散表明後は、事務局を中心に各メーリングリストが昼夜問わず送受信され様々な連絡が全国を駆け巡った。
 同時に各地の選挙管理委員会とのやり取りも頻繁に行われた。各都道府県の選管担当者も突然の選挙のためか、数件の行き違いが生じたこともあったが、それを素早く発見し修正した事務局の対応力に感服した。
 そして、政党の原稿入手のため絶えず連絡を取り合い、確認のため随時、各所に足を運ばれた日本点字図書館、日本盲人会連合のご担当者のご尽力も成功の大きな要因である。
 音声版の特徴の一つに、製作に携わる施設の多さがある。今回参加した55施設が、それぞれのミッションを迅速に遂行した。
全ての施設に製作経験があったこともキーポイントであった。
 また、前回の参議院選挙がもたらした成功への副産物もあった。当時、参院選は、衆院選と同時選挙として決行されるのではと囁かれていた。そのため、仮に同時選挙となっても対応できるように、衆院選での使用分までカセットテープを各施設に配布していた。音声版は、「デイジー版」と「カセットテープ版」を発行している。音声デジタル化が進んでいる昨今、製作の割合は、回を追うごとにデイジー版が増加している。とは言うものの、テープ版のご希望もまだかなりあり、国政選挙となると、短期間に大量のテープの入手を余儀なくされる。実は、この短期間での入手が容易ではない。加えて、最近のテープは製品としての質も落ちている。今回の成功の隠れた要因として、これらのテープを各施設がしっかりと保管していたことも大きいのではないだろうか。
 最後に私事だが、今年度から委員長に就任し、再認識したことがある。全国の施設がそれぞれの役割をしっかりと遂行していること、事務局が核となって迅速に的確に機能していること、そしてこの体制の構築にあたって、部会長と前委員長の献身的なご努力があったということである。
 「情報共有社会」「情報バリアフリー」をキーワードに、音声版部会の施設は事業に取り組んでいる。今回の課題点を次回にフィードバックするため、製作マニュアルの改訂や研修会を実施し、ニーズに即した選挙公報の発行を進めていく思いを改めて心に刻んだところである。

++
拡大文字版「選挙のお知らせ」の製作状況と、私の願い
日盲委拡大文字版部会 部会長 三宅隆
 私は長く点字版「選挙のお知らせ」の製作に携わっておりました。昨年、転職したことにより拡大文字版事務局として関わることになり、今までの経験が生かせたところもありましたが、ほとんどが初めてのものでした。どのような感想を持ったのかについては後ほど紹介します。
 まず、今回の拡大文字版製作状況ですが、比例区、国民審査ともに26の都道府県より注文があり、発行部数は、比例区3,762部、国民審査3,771部でした。また、前回衆院選では比例区の注文が9ブロックでしたが、今回は11ブロックすべての注文がありました。各県の注文部数をみると、数百部発注しているところもあれば、10部程度しか発注していないところ、多部数であっても各市区町村選挙管理委員会とほぼ同じ数のところと、さまざまです。また、比例区については、最低限必要な製作費用に達しない部数のところが2ブロックあり、結果的には全体をならして何とか製作したという状況でした。
 次に、拡大文字版「選挙のお知らせ」の製作工程をご紹介します。まず、比例区は各政党から、国民審査は最高裁判所から原稿を入手します。入手する際は、掲載順序や固有名詞や幾通りも読めるものなどの読み方、また拡大文字版では外字でしか表せない文字について確認します。入手した原稿を基に文字を入力し、入力が終わったデータを基に音声コード(SPコード)のデータを製作します。SPコードは、日常生活用具として給付される専用の読み取り装置で読み取れるように製作しています。次にできあがった文字部分の誤字・脱字・レイアウトなどの校正と、SPコードの専用装置での認識と内容確認をする検聴を行います。校正と検聴は複数人で行い、校了したデータを基に印刷・製本・発送を行います。
 今回の製作では、初めて作業に携わる印刷業者とともに行いましたので、スムーズにいかないところもありました。また、それに加え、新党が衆議院解散前後で結成されたため、原稿入手が困難を極め、作業にかなり影響されてしまいました。さらに、台風の接近に伴う悪天候が続いたため、特に離島への発送が心配され、スケジュールが遅れたこともあり、事務局スタッフと印刷業者がその対応に追われる日々が続きました。結果的には、期日までに納品を完了することができ、一挙に安堵感と疲労感に襲われました。
 私なりに今回の拡大文字版「選挙のお知らせ」に携わって、まず感じたのが、これだけたいへんな思いをして製作しているにも関わらず、肝心の当事者のもとに届いていないところがかなりあるという事実です。いくら選挙管理委員会に届いていても、当事者が利用できるようになっていなければ意味がありません。いくつかの自治体の状況をみても点字版や音声版については広報されているところもありますが、拡大文字版については私の知る限りあまり広報されていません。また、本プロジェクト以外で拡大文字版を発注している県もありますが、まったく製作していない県もまだまだ存在します。当事者から必要性の声があるのであれば参政権行使のためにも、前向きに取り組んでもらいたいものです。
 本プロジェクトを含め、さまざまなところで製作された拡大文字による選挙情報が必要とする一人でも多くの当事者に届くことを願っています。

++
より安全で快適なユーザー歩行の確立を~ 日本盲導犬協会創立50周年式典 ~
公益財団法人日本盲導犬協会 常任理事 吉川明
 協会の創立50周年記念式典が10月6日、東京・新宿の京王プラザホテルで開かれました。各地から盲導犬ユーザーやボランティア、支援団体関係者など600人がかけつけ、同伴の盲導犬180頭が一堂に会する光景は壮観でした。協会理事長の井上幸彦が「我々は常に盲導犬ユーザーにひたむきに寄り添っていく」と喫緊の課題である「年間50頭育成体制」への決意を述べると、ユーザーの代表スピーチでは「盲導犬は、協会を通じて社会から贈られた宝物」と、数えきれない人たちに向けて深い感謝の気持ちが表明されました。
 1967年8月に国から財団法人の認可を受け、日本で最初の盲導犬育成団体として発足してから累計851頭(今年7月末)を視覚障害者に提供できました。今年3月末全国に951頭が働いていますが、そのうち協会は232頭です。30か国、92団体で構成する国際盲導犬連盟のポール理事長から「盲導犬のグローバルスタンダードを守るという連盟の戦略目標に沿って、貴協会は重要な役割を果たしています」という言葉をいただきました。
 盲導犬の社会的位置を振り返りますと、1978年に道路交通法の改正により盲導犬に対して車両の一時停止や徐行が義務付けられ、初めて法的に盲導犬が認知されたのに続き、2000年の社会福祉法の改正で盲導犬が社会福祉の枠組みに入り、2002年には身体障害者補助犬法が施行され、店舗や病院などへのアクセス権が保証されるといった経過をたどってきました。
 視覚障害者の自立と社会参加を援助する盲導犬ですが、式典では警察庁交通局長から今年8月末までに20人の視覚障害者が交通事故に遭い負傷したことをふまえ「ドライバーへの交通安全教育や音響式信号機の整備などを進めたい」、また厚労省障害保健福祉部長は2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて「海外からの補助犬使用者を円滑に受け入れる準備をしている」と、行政の当面の課題が示されました。
 協会はこの機会に次世代に向けて「研究基盤強化とコミュニティー環境造りの構想」を掲げ、「良質な盲導犬の輩出」「育成・貸与の環境整備」「盲導犬の健康維持」「歩行の安全性確保」の四分野で最新科学技術の活用によって、ユーザーの歩行の質をより向上させることに取り組んで行きます。

++
日盲社協事務局だより
    太陽福祉文化賞に係るお知らせ
 特定非営利活動法人全国盲老人福祉施設連絡協議会(全盲老連)が主催しております顕彰「太陽福祉文化賞」は、28年度の第10回目の被表彰者募集は休んで、来年度の全盲老連創立50周年記念にあわせて「第10回目」の募集を行うことになりました。
 後日、別途、第10回の募集要項や推薦依頼文を送付いたしますのでご協力のほど、よろしくお願いいたします。
加盟施設 変更情報(人名は敬称略)
 (1)退会
<点字出版部会>
◆日本漢点字協会 29年3月退会
 (2)名称変更・住所変更等
<情報サービス部会>
◆相模原市社会福祉協議会 保健と福祉のライブラリー
新名称 相模原市立視覚障害者情報センター
新住所 〒252-0236 相模原市中央区富士見6-1-1 ウェルネス相模原A館2階
<自立支援施設部会>
◆日本盲人職能開発センター
住所表示変更 東京都新宿区本塩町10-3→東京都新宿区四谷本塩町2-5
<盲人用具部会>
◆有限会社 エクストラ
新住所 〒424-0886 静岡県静岡市清水区草薙1-19-11
新TEL:054-368-6886 新FAX:054-368-6883 E-MAILは変わらず
◆株式会社ブライユ
新住所 〒173-0004東京都板橋区板橋4-8-16
新TEL:03-5943-3361 新FAX:03-5943-3362
 (3)施設長等変更
<点字出版部会>
◆岡山ライトハウス点字出版所
新所長 志水克典
◆視覚障害者支援総合センター
新所長 榑松武雄 法人理事長兼務
<情報サービス部会>
◆上野点字図書館
 新館長 赤澤行宏
◆愛媛県視聴覚福祉センター
 新所長 竹本道代
◆鹿児島県視聴覚障害者情報センター
 新センター長 古賀弘文
◆神奈川県ライトセンター
 新所長 中里明秀
◆札幌市視聴覚障がい者情報センター
 新所長 池田盛人
◆視覚障害者総合支援センターちば
 新所長 川崎弘
◆東京ヘレン・ケラー協会点字図書館
 新館長 馬塲敬二 法人理事長兼務
◆とちぎ視聴覚障害者情報センター
 新所長 小関和美
◆日本赤十字社北海道支部点字図書センター
 新所長 内山正二
◆点字図書館「明生会館」
 新施設長 夏目努
◆山口県点字図書館
 新館長 松永正
◆山梨県盲人福祉センター
 新所長 岡田千代子
<自立支援施設部会>
◆神戸視力障害センター
 新所長 赤坂浩
◆国立障害者リハビリテーションセンター
 新総長 飛松好子
◆ヘレン・ケラー学院
 新学院長 馬塲敬二 法人理事長兼務
◆盲人自立センター陽光園
 新施設長 小岩美惠
<盲人用具部会>
◆ケージーエス株式会社
 新代表取締役 工藤良次

++
編集後記
 10月22日(日)投開票による衆議院議員総選挙が突然決まったので、日盲社協点字出版部会と情報サービス部会に加盟する施設は、点字・音声「選挙公報」発行に大わらわとなったのではないでしょうか。
 かくいう私も例年であれば小誌の編集をしている最中に、「選挙公報」作製に忙殺されていたので、小誌発行にも多大なる影響が出て、大幅に発行が遅れてしまいましたこと、ここにお詫び申し上げます。
 小誌の秋号は通常4ページほど「誌上慶祝会」を掲載するのですが、今回は残念ながらその対象者がおられませんでした。「太陽福祉文化賞」も「事務局だより」にあるような事情で今回は休載です。「新会員施設紹介」の対象施設も今回に限ってありませんでした。
 そこで、超多忙な関係者に無理をお願いして、(特集Ⅱ)「『日本点字表記法』改訂(案)の論点」と(特集Ⅲ)「視覚障害者のための選挙公報」を寄稿していただきました。
 日本点字委員会のホームページhttp://www.braille.jp/に「『日本点字表記法』の改訂版発行と改訂案に対する意見の募集について」がアップされたのは11月1日ということで、(特集Ⅱ)は、いわゆる端から無理筋の企画でした。
 それにも関わらず、無理に無理を重ねて、出稿していただいた、渡辺、福井、白井の三氏には重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。そして、これに懲りず、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。
 次号の『日盲社協通信』は平成30年4月に発行する予定です。(福山博)
情報提供のお願い
 本誌に対する情報提供・要望・苦情・意見・感想は、日盲社協広報委員長福山博宛、郵便やEメール(fukuyama@thka.jp)でお送りください。お待ちしております。

++
代読・代筆・外出先での安全と的確な情報提供は視覚障害者ガイドヘルパーと共に
 まず安全に、利用者様の必要な時に、必要な場所へ、必要な情報をと心掛けてまいります。
 下記の様なシチュエーション以外にも、ご希望に沿ったサポートやガイドを提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
◎官公庁・金融機関の手続きを目的とする外出
(市役所・区役所・銀行・生命保険会社などの外出)
◎公的機関や各種団体が行う行事への参加
(高齢者健康相談会・無料法律相談会・創立記念式典などの参加)
◎通院(病院・歯科医院などの同行)
◎一泊旅行・日帰り旅行・バス旅行(県内・県外への旅行)
◎散歩・買い物の外出(ウォーキング・必要な買い物・贈答品などの買い物など)
◎余暇・スポーツ・文化活動への外出 (映画・劇場・美術館などの鑑賞、スポーツ・サークル活動など)
◎冠婚葬祭・同窓会などへの参加(通夜・葬式・結婚式・同窓会への出席など)
◎理容・美容室への外出(散髪・カット・パーマ)
 レッツゴー事業所とは
 「日盲社協レッツゴー事業所」は、社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会が同行援護事業所として、視覚に障害をお持ちの方のために、同行援護専門の事業所として開設いたしました。
 「レッツゴー事業所」は、きめ細やかなサービスを提供させていただくため、同行援護一般・応用講習まで終了した経験豊かなスタッフが、皆さまの外出を安全で楽しい時間にするお手伝いをさせていただきます。急なご用命にも対応いたします。
日盲社協レッツゴー事業所
http://www.lets-go.or.jp
受付 月曜から金曜日(祝日、12月29日~1月3日を除く)
営業時間 午前9時から午後5時まで
サービス時間 原則として午前7時から午後9時まで
住所 東京都台東区台東3-1-6 日盲社協会館内
電話 03-6240-1714 (担当:菅原・粕谷)

 本誌は、全国労働者共済生活協同組合連合会の助成により作成したものです

関連記事

  1. 日盲社協通信 令和5年(2023年)12月号(通巻87号)

  2. 日盲社協通信 平成30年(2018年)4月号(通巻76号)

  3. 日盲社協通信 平成26年(2014年)4月号(通巻68号)

  4. 日盲社協通信 平成27年(2015年)4月号(通巻70号)

  5. 日盲社協通信 令和3年(2021年)4月号(通巻82号)

  6. 日盲社協通信 平成28年(2016年)4月号(通巻72号)